リベリアの白い血のレビュー・感想・評価
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異郷人の目で見たニューヨークの孤独。
主人公のシスコは母国リベリアに家族を残し、単身渡ったニューヨークでタクシードライバーをしながら日銭を稼いでいる。しかし、大都会は彼に優しくはなく、さらに、消し去りたい過去が異郷の地に渡っても尚、疫病神のように纏わり続ける。いったい、ニューヨークにはどれだけのシスコがいるのだろうと思わずにはいられない。当地を訪れた時、運転席でハンドルを握る顔が見えないタクシードライバーたちのぶっきらぼうな声がふと脳裏をかすめた。日本人監督の福永壮志も、恐らく同じ思いをしたはずだ。そして、彼らにも彼らなりのドラマがあるはずだと。同じ異郷人の目で見たニューヨークの孤独が程よく体に染み渡るのは、そんな監督の視点と、シスコを演じるリベリア人、ビショップ・ブレイが観客のシンパシーを呼び込むに足るルックスの持ち主だからだと感じた。
よく見ると、日本人監督 でした。
悲壮感がなぃ。
生活感がなぃ。
よく見ると、日本人監督 でした。
そんな事無いだろうとおもった。異邦人であれば、団結するだろうと思うが。リベリアが他のアフリカと違うところは英語を公用語としている。内戦があって、最貧国にはなっているが、元々はアメリカの奴隷が解放されて作られた国であることを先に説明してもらいたい。白い血だけではわからない。
実質45分位の映画。
移民の現実、隣の芝は青い
リベリアからアメリカへ。出稼ぎに出た移民のお話。
過酷な労働と貧しい生活から何とかしようとアメリカに渡ったものの、そこで遭ったのは同じような貧しさと世間の厳しさ。
移民の大半は豊かさと希望を求めて異国へ向かうが、そこで得られる賃金も僅かばかりで本国で暮らしているような大変さが窺える。唯一良い点は安全さだろうか。
しかし本国の人間は移民となった人間に妬ましさを覚える。きっとアイツは稼げているに違いない。大金持ちだ。そうしていつか機会が訪れれば移民となるのだろう。
異国で暮らすこと、また本国に対するジレンマがこの作品からは感じた。
世界を知らなければ!知ることは楽しい!
貧しくても、純朴で豊かな生活を送っている、アフリカにそんなイメージはないでしょうか。内戦や飢餓、疫病、移民の事実は報道されても、バラエティー番組の「刷り込み」でしょうか、明るい陽射し、あざやかな色合い、笑顔の人々。
おろかな私でした。
ゴム農園のプランテーション、ブリジストンの子会社ファイアストン、ストライキ、移民、イエローキャブ。遥かかなたのボンヤリとしたアフリカは、私の中で具体的にくっきりと像を結びました。
普通の人々が、普通に生活し会話し、普通に豊かさを求め、普通に幸せを願う。
私とつながった感覚を覚えます。
アフリカからアメリカに居を移しても、最底辺の生活。
特別なエンディングがある訳ではなく、何の救いもなく生活は続いていく。安易な意味づけを拒む、監督の意志を感じます。
いい映画です。
静かな映画
淡々とリベリア人の主人公の生活を描いていて、ドキュメンタリーのようだった。違うのは、彼が自分のことを一切語らないところ。彼の顔色や視線や背中や 首筋にその心を映し出している。カメラがかなり揺れたりして不安定なので(おそらく意図的に)少し酔うかも。それほどのハプニングは起きないので、物足りなく感じる人もいるかな。私はあのゴムのように映画の印象があとをひいて、彼の地に想いを馳せて考えさせられたので、好きなタイプ。
淡々と
まるでドキュメントのような映画。リベリアの現実とアメリカ移民の現実を描いている。全編を通して大きな事件は起こらない。ラストのタイヤ交換のシーンをどう考えるか、冒頭のゴムの木からのゴムの採取のシーンと「ゴム」つながりかなとも思うけど。
冷静な視点
この映画をリベリア人でもなくアメリカ人でもなく、日本人が撮ってる、というのが作品全体を通じて冷静な視点が貫かれている理由かもしれません。様々な立場からの政治や社会の差別や課題が取り上げられていましたが、批判するでもなく、肯定するでもなく、「世の中ってこんなふうですよね」とただ状況を提示していくのが、少々物足りなく感じました。問題があるのは解ってるのに、じゃあどうしたいのか、敢えて語らないのは焦れったい。
反面、本当にこれを日本人監督が撮ったんだ、すごいな、と思ったのは、俳優陣が魅力的なところでした。特に主人公の妻役の女優さんが素晴らしかったです。
初体験!
予告編を見て、これは絶対に見たい!と思い、初日に映画館に出かけました。
映像が美しいし、音も綺麗。そして、舞台挨拶で福永監督もおっしゃっていたように、「人の逞しさ」がすごく描かれていました。
映画は世界を知り、人を知ることのできる素晴らしいものなのだと、この映画を見てしみじみ思いました。
素晴らしい映画でした!ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。
補足:
「リベリアの白い血」でなくて、「リベンジの白い皿」だとタイトルを勘違いしたまま、見に行きました。英語タイトルは「out of my hand」といい、深い意味があるそうです。血がいっぱい出るような描き方は全くなかったです。
出稼ぎ
アフリカ大陸西部のリベリアのゴム農園で働く男が生活を豊にしたいとアメリカに出稼ぎに出る話。
1日16時間も労働しても暮らしは貧しく、アメリカンドリームという程大きな野望がある訳でもないけれど、少しでも良い暮らしが出来ればというのは無茶なのか。
アメリカでも同じぐらい働いて仕送りをし、人と深く関わりを持たない様にする主人公が幸せである様にはみえなかった。
マリアとジェイコブの件はわかりやすいけどちょっと極端な感じがして、もう少しストイック寄りでも良かったかな。
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