「オキナワは燃えているか」米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
オキナワは燃えているか
沖縄戦後の苦難をひとりの政治家を通じて描いた、非常に優れたドキュメンタリー。
正直、この映画を観るまで瀬長亀次郎の存在を全く知らなかった。日本国のほとんどの政治家が米国に膝を屈し顔色を伺うものばかりのなか、ひとりオキナワと県民のために米国と闘った男がいた。
日米同盟の下で、不戦平和と高度経済成長を謳歌した日本(ヤマト)。
かたや、冷戦下の反共の最前線基地として、日本から「切り捨て」られ、すべての犠牲を押し付けられたオキナワ。
民主主義国家アメリカの軍統治のもと、県民の自由と民主主義は剥奪され、占領地の下等市民扱いを受け続けてきた。
72年に本土復帰を果たすも、肝心の米軍基地は冷戦が終結した今も存続し、ヘリの墜落事故や軍人の刑事事件は後を絶たない。その棘は県民の心に深く刺さったままだ。
日本の国防システムと米国の東アジア軍事戦略は、沖縄県民の過酷な犠牲のうえに成り立っており、見てみぬふりはもう許されない。
なぜ米軍基地撤去をフィリピンにできて日本にできないのか。なぜ県外移設は「机上の空論」と国会で議論することも放棄しているのか。
辺野古基地移設問題を亀次郎がみたらどう思うだろうか。ウチナンチュウにとってのマジムン(魔物)を退治できる日は来るのか。
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