「返還と残留」米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
返還と残留
評価は、他の方に任せます。
ドキュメンタリーとは、真実の記録である。そこに嘘があってはならない。映画という
媒体でドキュメンタリー作品を制作するのは非常に難しいものと思われる。一民放の一
アナウンサーが制作するのはかなりの挑戦である。皆が多少知っている人物であれば、
それも何となくどんな人物であったが、多少の予想はつく。しかし先の戦争で、日本が
どこの国と戦ったのか。そして日本は敗けたのか勝ったのかどうかも判らない人間にとっては、「瀬長亀次郎」という人間の存在にスポットを当てても何のことやら?????
監督自身の亀次郎という存在を伝えたいというのであれば彼が残した『叫び』、それを
知ってもらいたいという監督の『情熱』がもっともっと、もっとスクリーンから伝わって
くれたら良いなと思いました。そこがいまひとつだったのが、残念でならない。
ドキュメンタリーは、ナレーションが中心で、そのナレーションにあまり抑揚がない。
今回の作品では、過去の亀次郎の写真を要所要所に起用をしているため、睡魔との戦いで
苦痛であった。ナレーションに山根氏を起用したのは良かったが、NHKにおいては『映像
の世紀』、民放においては『半沢直樹』で上手く活用されてはいたが、今回それをうまく
活用されてはいなかったように思われる。
しかし、佐藤栄作と亀次郎とのやり取りの場面は、緊迫感があり良かった。しかし、この
場面は監督自身が培った編集力ではないように思われる。
これからの沖縄は本土復帰したが、未だ米軍基地残留という難問に対峙する人物、亀次郎
に次ぐ「不屈」の精神で米軍から恐れられる人物は現れるのだろうか。北朝鮮が騒がしい
昨今、米軍基地はどうなるのだろう。という将来への不安は、やはり残る。
※題名については『その名は~』要らないと思う。