「エルファニちゃん映画」パーティで女の子に話しかけるには kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
エルファニちゃん映画
エル・ファニングの魅力が爆発している映画でした。エルファニがとにかくかわいい。公園ではしゃいだり、パンクバンドで即興歌をうたったり、エンの母親と踊ったり。また笑顔が抜群にキュートです。
とはいえ、映画全体はガチャガチャしていて正直ピンと来ませんでした。エルファニ絡み以外のシーンはまったく心に残らない。B級のSFというジャンルが個人的に肌に合わないというのもあると思いますが…宇宙人の設定も古いSFイメージのパロディーなのでしょうが、そもそも乗れないため、特に感じるものはなかったです。
少年が異界に行き成長して戻る、というジュブナイル王道パターン映画とも見れそうですが、やはりガチャガチャした演出によって成長描写がよくわからない。15年後に飛ばれてもねぇ。
で、その15年後のエピローグは「さぁ泣かせに来ましたよ」みたいなあざとさを感じてしまい、乗れなかったですね。主人公が作家になるってのも、なんかね。ディーディーとかアリ・アップとかパンクレジェンドの名前をつけるのもなんか表層的で軽いんだよなー!
まったく合わなかった作品ですが、エルファニちゃんファンとしては避けて通れない映画であり、エルファニだけに焦点を合わせれば充分に魅力ある映画だった、と思います。
特典の星2つ分はエルファニちゃんの存在感だけにつけました。エルファニじゃなければ、この映画は持たなかったと思いますよ、ホント。
そしてパンクについて。
確かに作中では抑圧に対してノーと言ったり、エンが魂の叫びのような独白をしたりと、それらしさはありました。しかし、作品が本当にガチャガチャしているので、主張が断片的にしか伝わらず、なんか説得力に欠ける印象です。ライブハウスの女主人あたりにもう少し明確な哲学が垣間見れると少しは違ったかもしれない。
そこまで魂レスなファッションパンクとは思わなかったものの、かなり薄くて物足りないというのが正直な感想。20センチュリーウーマンのような熱気を期待して観に行っていたら、かなりムカついたと思います。ただ、そっち方面の期待はせずに観たので、ガッカリしなかったのは救いというか、良かったです。