イット・カムズ・アット・ナイトのレビュー・感想・評価
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恐怖の「原因・結果」ではなく「過程」を描くも中途半端に終わる
A24の映画はホラーが多いようだが、従来のホラー映画とは異なって、「原因・結果ではなく過程を描く」方針ということがよくわかる一作。
本作も前提となる感染症のパンデミック、それによる社会崩壊はきちんと説明されず、単にそれから避難してきた2家族の内閉した日常、軋轢と戦い、そして感染症の拡大というやりきれない過程を描くこと自体が主眼となっている。
普通に抱く「どんな感染症か」「社会はどうなっているのか」「最後はどうなるのか」などの疑問には一切答えない。
恐怖の環境に囲繞されたら、人間はどう振る舞うか、どんな生活を余儀なくされるか等々を見せるだけなのである。
まあ、それもありなのだが、その場合、描かれる過程が満足感を与えてくれるか否かが問題となる。同じA24のアリ・アスター『ミッドサマー』等は一応の成功例なのだろうが、本作はいま一つという感を免れない。
「何だか中途半端だったな」と思うだけの作品より、蛇足であったとしても「原因・結果」を追加したほうが面白かったのではないかと、ついつい思ってしまう。
クオリティがある悪趣味
ギフトもそうだったけど、この人クオリティがある悪趣味が好きだよな。
凝ったバッドエンドへと巧みに導いて行くわけだけど、それってほとんど自慰クリエイターの趣。心理描写に深い理解があって製作してるのが良く伝わるけど、これ観てどう思えっていうのだろう。
気分悪いでしょ、これ。ってことか?だとしたら、この野郎とんでもないサディストだな笑
銃社会アメリカならではの作品
謎の感染病によって嫁の父ちゃんを殺して焼却。ただならぬ不気味な森の一軒家の出来事から、ゾクゾクさせられ惹きつけられる序盤の展開。さすがA24だと思わせておいて、謎は謎として何も解決していない、ただ疑心暗鬼に陥るパンデミックの末路。
お前は誰だ?感染してないだろうな?などと、見知らぬ人間が一人訪れただけでも恐怖心が芽生え、やがて殺意へと変わる。侵入者は撃ってもかまわないというアメリカ的な考えも日本人には理解しがたい部分もあるけど、これで拘束されて、その後によく家族同士の付き合いができるもんだと不思議な感覚にもなる。
犬のスタンリーがいなくなり、しばらくして瀕死の状態で帰ってくる。それが二つの家族の精神的、排他的な猜疑心が表面化する原因となった。映像ではポールの息子トラヴィスが悪夢を見たり、赤いドアが開いていたなどと証言するもんだから謎は増すばかり。ウィルの幼い息子アンドリューにしても夢遊病はあるもののドアの鍵には手が届かないのは確か。本当に鍵が開いていたかどうかもはっきり見せない映像は絶妙だ。
現在のコロナ禍で鑑賞すると、感染経路や潜伏期間も気になるところだし、リビングにおいては「密だろ!」と言いたくなる。前半に登場した襲撃者にしても感染してるかどうかはわからないし、犬にも感染するかどうかも謎のまま。そして引っかかるのがウィルの言った「兄の家に」を慌てて「義理の兄」と取り繕った会話。さらに襲撃者を後で話そうと言いつつ、話題にすらならなかったこと。実はキムは兄の嫁さんであり、ウィルはそのキムを不倫の末奪ったのだとしたら・・・
「家族以外は信用するな」という台詞にも含蓄があり、白人と黒人の夫婦だけどしっかり絆があったり、家族のように見えてウィルとアンドリューは実は親子じゃないなんて考えてみると、人間関係の曖昧さも深読みできる。色々と疑ってかかると、自分も猜疑的になってるなぁ~一本取られた!って気分になった。結末の呆気なさゆえに考えさせられる作品。
タイトルはそそられるけど…
思っていたより、普通
とにかくいろんなことを説明しない。アレやコレやはなんだったの?だら...
ステイホーム
謎の病が蔓延した世界で生き延びている一家。冒頭、一人が病にかかり、家族の手によって射殺、焼却される。ショッキングなスタートと、不穏な空気感が何とも言えないオープニングである。ジョエル・エドガートン演じる父と、本来ならば青春真っ盛りなはずの17歳の息子。難しい年頃であるが反抗的な態度はとらず、何とも言いがたい関係性の家族に思えた。そこに自身も家族がいるという男が夜中に食料等を目的として不法侵入したところから生活が一変する。今後の事を考慮し、共同生活をすることになるのだ。 一緒に住む上でのルールを共有させ、生活を送っていく。
本作は、パンデミックを描いた作品なのだろうが、物理的な恐怖よりもその環境に置かれる上での精神的な疲労や恐怖を描いている。今まさに新型コロナウイルスが猛威を振るい、新しい生活様式が始まったが、本作の一家で決められているあるルールが彼らにとっての新しい生活様式なのである。そのルールというのが曖昧な物で、多くを語られず、ただそのルールを徹底して守るというのが共有事項だ。夜中に赤いドアから出てはいけないという表現が何とも不気味なのだが、その割には感染を徹底的に防ぐというような内容でもない。極めて独断と偏見によるものだった。
このルールにより、懐疑的な流れになってしまうのだが、だれも異常な状態になった様には描かれず、誰がおかしいのかは分からないままラストを迎える。しかし、直接悪事等は描かれなくとも、身の上話の中で矛盾が生じたり、感染を疑える状況になったり、細かな所でズレが生じていく様が描かれるのだ。それらがだんだんと鑑賞者を不安にさせる要素として作用していく。物語が進むごとに登場する悪夢もその一つだ。どのようにそれらが関わるのか、目が離せない展開が進んでいく。
本作は異常事態の中における人の優しさ、怖さ、異常さをあぶり出したような作品だ。一度疑うと全てが怪しく思えてしまう人間ならではの弱点を見事に描ききっている。作品は地味だが、強烈なインパクトを残す作品だった。本作の制作会社は、「ヘレディタリー 継承」のA24。この独特な世界観や空気感はなかなか真似できないだろう。今後の作品が楽しみである。
A24らしかぬ
いつのまにか終わってた
何だこの映画。
前提と過程の説明が圧倒的に不足、盛り上がりもないまま気付いたらほんのり疑問を残して終わってた。
ジョエル・エドガートンにだけ期待して観たからまだ良かったけど、ホラーやミステリー要素に期待して観てたら途中で寝るぞ。
【”一番怖いのは猜疑心を持ってしまった人間である・・” 】
んで?
面白い
ホラー映画ではなくパニック映画❗
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