「たくさんあるけど何もないみたいな」悪と仮面のルール つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
たくさんあるけど何もないみたいな
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同じ原作者の映画「去年の冬、きみと別れ」が面白かったので、それと似たような面白い仕掛けのあるミステリーで主人公のサイコパス的な部分も垣間見れるサスペンスなのではないかと期待していた。
色々とぐちゃぐちゃに伏線めいたものがあり、物語もあれやこれやと多方面に展開していくが、肝心のというか一番期待していた、いわゆるトリックのようなものはなく「去年の冬、きみと別れ」とはかなり毛色の違う作品だなと感じたのが第一印象。
しかしよくよく考えてみると「去年の~」も本作も愛と憎しみについての物語であり、実は似たような系統の作品であったと気付いた。
とはいえ、系統が同じでも面白さも同じとは限らない。本作のダメなところは多岐にわたり、もうほとんど全てが悪かったようにすら思う。
これを言ったら作品自体が成り立たなくなるかもしれないけれど、悪の家系?がよくわからん。遺伝によって悪の一族が出来上がるならまだ納得できるけど教育により悪に染めるのは、その理由も意味もわからない。
しまいには悪の一族であることにちょっと悩んじゃったりして中途半端。まあ多分本当は悪意とまともな人間性の間で揺れる苦悩を堪能する作品なのだろうけど、その圧倒的描写不足によりただ意味のわからないものになった。
なんだか勿体ない、つまらない作品です。
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