「あなたは悪くない」世界を変えなかった不確かな罪 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたは悪くない
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何気ない善意の差し伸べが、意にそぐわず却って相手に多大な損害を与えてしまい、そのトラウマを抱えてしまった人達の邂逅がストーリーの作品。
なにぶん、そこまでマニアではないから、映画界、演劇界の隠れた実力の、又は新進気鋭の俳優を存じ上げていないので今作品の出演者は須く『はじめまして』である。そんな中で、主役のピノとパピコ役の女優の可愛さが目を惹いた。今後、色々な展開を繰広げるだろうし、体当たり演技も辞さない覚悟を感じ取れる。
ストーリー及び演出等は、期待値が低かっただけ、それ以上の感動を与えてくれた。特に、家族を海難事故で失ってしまった葬儀社の社長に対し、家庭内虐待を受けていた女子中学生が、表題の台詞をずっと呟きながら、背中を擦るシーンは、心を締め付けられ、一気に哀しさが溢れ出てくる。
展開のキモである、そばアレルギーのオチは、実際に起こった事件が元ネタであると、上映後の懇談で監督が話していたが、その子供の母親に街で偶然であったとき、母親は笑っているのか、泣いているのか、何かを食べているのか、その時の態度で受ける印象が変わってくるという想像が着想であるとのこと。中々の妄想であり、それが監督という才能をたらしめているのだろうと感心した。
ただ、ロケ地が安中市である理由が今イチ不明だったことを付け加えておく。亜鉛工場の歴史はバックボーンには何も関係無い様だったし。。。
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