「最高で最低のホイットニーの全て」ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー とえさんの映画レビュー(感想・評価)
最高で最低のホイットニーの全て
ホイットニー・ヒューストンの生涯をたどったドキュメンタリー映画
かなり衝撃的な内容で、これが全部嘘で、よくできたフィクションだったら良いのにと思った
私がホイットニーを知ったのは、中学生の時だった
そして、彼女は私にとって、初めてはまった洋楽の歌手になった。
そのため、私には彼女はとても特別な存在なのだ
その私がこの映画を観て、この中には私が大好きなホイットニーがいっぱい詰まっていると思った
デビューしたてのキラキラした彼女も、映画「ボディガード」で頂点に立ったスターの彼女も、しっかりとこの映画の中に収められていた
しかし、その反面で、私の知らないホイットニーをたくさん知ることになってしまった
できる限りたくさんの人にこの映画を観て欲しいから、詳しくは語らない
しかし、この映画の中には、現在のアメリカが抱えている問題の全てが詰まっていた
ドラッグ依存症、DV、児童虐待、育児放棄、人種差別などなど、なんでもありのてんこ盛り
奇しくも「アリー/スター誕生」と同時期に公開されているけれど(わざとぶつけたのかな??)、この映画のホイットニーの生活の凄まじさを思うと、「アリー/スター誕生」で描かれるスターの苦悩はファンタジーにさえ思えてくる
これは、ホイットニーの話だけれど、きっと、マイケル・ジャクソンの話でもあり、リバー・フェニックスの話でもある
スターたちが、スポットライトの下にい続けるのが耐えられず、そこから少しだけ逃げようと思った時、つい、誘惑に負けて悪魔の手を握ってしまうことがある
一度、その誘惑に負けてしまうと、そこから戻ることは、とても難しいのだ
あの、ホイットニーがスター街道を歩いてえた頃、私たちは、何も考えずに「ホイットニーの新曲はまだかなぁ」と考えていたけれど、本人は、追いかけてくる悪魔を振り払おうとして、毎日を生きていたのだ
その姿はファンをガッカリさせ、そしてホイットニーはマスコミから叩かれ、さらなる闇へと落ちていく…という悪循環
その裏にどんな顔があろうとも、ホイットニー・ヒューストンは偉大な歌手であったことに変わりはない
私は、彼女の歌に何度も助けられて生きてきた
そんな私が彼女にできるのは、今でも時々、彼女の歌声を聴くことだと思う
これは、ファンにとっては、とても衝撃的な内容だけれど、アメリカの社会問題を凝縮させて描写している作品でもあるので、ホイットニーを知らない人でも、見応えのあるドキュメンタリー映画になっていると思う
興味のある人はぜひ、彼女を偉大な歌声を劇場で聴いて欲しい