春なれやのレビュー・感想・評価
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【ソメイヨシノは、60年経っても、見事に開花していた。短編乍ら、一人の女性の想いを凝縮した作品。】
■桜の花が咲く頃、1人の女性(吉行和子)が警察に保護された。彼女にはどうしても行きたい場所があるという。
女性は「ソメイヨシノは60年咲くことができない」という噂の真偽を確かめるべく、ひょんなことから出会った青年・幹夫(村上虹郎)と、廃校になったかつての学び舎へ向かう。
◆感想
・吉行和子と村上虹郎が演じる老女と青年の交流が温かく、優しさがじんわりと胸に染み入る。
・日本一の桜の町を目指す熊本県菊池市で撮影が行われた、桜の花びらが舞う美しい映像にも心癒やされる作品である。
マジか!?初めて知ったソメイヨシノ寿命60年
短編作品第2弾。
老人ホームを抜け出したお婆ちゃんと途中知り合った青年との物語。吉行和子と村上虹郎が共演。
これまた熊本県菊池市にて地方ロケだが、これまたソメイヨシノが満開の映像が素晴らしい。
老人ホームを抜け出してまで確認したかった昔植えたソメイヨシノ。
老いと孤独、歳を重ねる事に思い募るものがあり、ふと振り返りたい事もあるさ。
60年後も咲いてくれたソメイヨシノ。
場所も移動せずに待ってくれる大樹って凄いなと。
風にもマケズ、雨にもマケズだもんね。
よく考えれば。
お婆ちゃんと青年の各時間の捉え方も面白い。
季節は繰り返すけれど、春に咲いてくれる桜を何故か1年1年大事に見続けたいなと思わせてくれる作品でした。
60年
60年でソメイヨシノは咲かなくなるという噂を確かめようと約束して植えた桜を見に行こうとする老女と、道端で付き添いを頼まれた青年の話。
会話を交わしながらその桜に向かう2人のほのぼのとした様子と優しさに癒される。
とにかく温かく柔らかく優しい作品。
桜に込めた希望
ユーロスペース最終日に鑑賞。滑り込みセーフ、観客は満員でした。
同時上映の「わさび」は女子高生が主人公だったけど、こちらはお婆ちゃん。でも何故か年齢を飛び越えて心から共感できた。丁寧に描かれる、決して楽しいことだけじゃない主人子の人生と観客の心に、優しい希望を与えてくれるストーリーだった。
ユーロスペースのレイトショー観客動員数歴代1位になったそうだが、納得。早くDVD化して欲しい。
わかりやすく、静かな映画だ
わかりやすく、静かな映画だった。
学生時代の恋人?の思い出の桜が、もう枯れているか、それとも未だに咲いているか確かめに行く老婆(吉行和子)の話。
老婆の行動が、頼まれて金で付き添いをしてきた青年の心を解き放つ。
しっとりしたいい話だ。「わさび」もそうだが、環境に関係なく、「どこにでも生まれ得る幸せ」を感じることができた。
哀しいのに心が温かくなる
吉行和子さんと虹郎くんの桜のお話。
想い出の桜に会いにいきたい女性を案内する青年のお話。
全編にわたって、どこか哀しく、胸が締め付けられるような感じ。
だけどずっと心が温かいのは、なぜだろう。
桜を見るときに日本人が感じることに似てると思う。
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