劇場公開日 2018年3月17日

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「日本では決して生まれない、極上の社会派ミステリー」修道士は沈黙する 石山紀子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本では決して生まれない、極上の社会派ミステリー

2018年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

知的

キリスト教と経済
幻想の上に成り立っている…かもしれない現代社会へ
唯一鉄槌をおろせるのは
おおいなる存在の「沈黙」だけなのかもしれない

ロベルト・アンドー監督『修道士は沈黙する/Le confessioni』イタリア文化会館で行われた試写会で鑑賞

日本では決して生まれることのない社会派ミステリー映画
私的には かなりおススメの1本♪

一筋縄ではいかない
非常に見ごたえのある
知的でスタイリッシュな社会派ミステリー
修道士が核となる物語なので
キリスト教と経済の関係性が理解できていると
この作品、より深く楽しめる

予告動画を初めて目にした時
修道士と経済 永遠なる矛盾
「水と油」の世界を描く結末がいったいどうなるのか
公開されたら絶対観に行こうと思っていた作品は
今月鑑賞した作品の中(この後にもう1本邦画が控えているけど)で、私のベスト1間違いないと記録しておこう

ヨーロッパの豪華演技派俳優らの競演は
目と思考を楽しませてくれたし
「物質主義vs精神主義」を扱っているのにも関わらず
作家&劇作家でもあり、オペラや演劇の演出家でもある
監督のロベルト・アンドー氏の創り出す映像はとても美しく
終始一貫ミステリアスでエレガント
イタリア映画独特のノスタルジックな雰囲気も漂い
シュールな笑いも忘れられてないところもGood!

出演者のアンサンブルはお見事!
この作品の鍵となる人物
疑惑の死を遂げる国際通貨基金の専務理事ロシェを演じたダニエル・オートゥイユ氏、修道士役のトニ・セルビッロ氏の演技はホント素晴らしかった

映画鑑賞後、この作品のコトを考えると
自然に自己を振り返っていることに気がつく
だから
原題は単数形でなく複数形なんだろうと理解

この日は映画終了後に 監督のロベルト・アンドー氏と小沼純一氏のトークもあり、作品についての多くの話を聞けたのはラッキー
これから鑑賞される方もいるのでこの時の話は投稿しませんが、彼の話を思い返しながら今度は劇場で観直してみようと思う

追記:
今回の試写状の美しさは…群を抜いていたなぁ
これ、手元に残したかったT^T

石山紀子