「【少し”不思議な”二人の女性が”大切な人”を探す旅を、イタリアの心優しき人々と美しい風景を背景に描き出した作品。】」歓びのトスカーナ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【少し”不思議な”二人の女性が”大切な人”を探す旅を、イタリアの心優しき人々と美しい風景を背景に描き出した作品。】
ー診療施設の人達を始め、(多くの人が)とても優しく、描かれている作品。パオロ・ヴィルズィ監督の人間を見る目線が優しいのであろう。-
■イタリア・トスカーナ地方の丘の上にある”診療所”で、ベアトリーチェは暮らしている。
-この、ベアトリーチェ姉さんが魅力的である。
ずっと”躁状態”のように喋り続け、他の”診療”を受けている女性たちが、農園で働く中、手は動かないが、女王様のように指示を出す姿。
が、皆気にしないし、嫌味に見えない不思議な雰囲気を醸し出している。ー
ある日、診療所に”ガリガリ”に痩せたドナテッラという全身にタトゥを入れた女性が入所してくる・・。
二人は相部屋で、最初はそりが合わないが、ひょんなことから施設を抜け出し、旅に出る。
-ベアトリーチェ姉さんの、バスタダ乗り、ヒッチハイクし放題、高級レストランでの無銭飲食など遣りたい放題であるが、嫌味に見えないのだなあ・・。(見事です。姉さん・・)ー
ドナテッラが働いていたダンスクラブシーンで彼女の哀しき過去が少し見えたり、ベアトリーチェ姉さんは有り金全部を賭けで失ったり(で、二人は喧嘩して分かれ分かれ)・・
ベアトリーチェ姉さんは、元旦那(で、酷い目に逢った)レナートの海辺の家にも押しかけ、ほんの40滴ほど“盛って”から、パソコンでドナテッラの哀しき過去を調べ、ある行動に出る・・。
■二人で、ドナテッラの”大切な人”を訪ねるシーン
ドナテッラが成長した”大切な人”を植木越しに見る所からの、あの海岸での”奇跡的な再会”の流れは、グッと来る。
養父母のドナテッラに”良いよ”と頷く姿も・・。(養母は泣いている。)
<人の善性を根底に、心に様々な問題を抱えた人々の懸命に生きる姿と、彼らを支える医療従事者たちの姿(敬服するしかない・・)を優しい視線で描き出した作品。>