「心を病むのは愛が深いから〜」歓びのトスカーナ 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)
心を病むのは愛が深いから〜
最初は躁のベアトリーチェの鬱陶しさにちょっと辟易するが
やがて彼女が抱えている悲しみや思いにちょっと同情したりして
もう一人の主人公、鬱のドナテッラも
ベアトリーチェがいなければ勇気が出なかったかもしれないね〜
心を病んだ人々ではあるけれど、人の心は儚くもあり、強くもある
誰だっていつ心を病むかも解らない〜奥深い作品だと思う。
イタリアでは随分以前に、
心を病んでいても人に危害を加えない人たちは
いわゆる「病院」に押し込むのではなく、
一般の人々の間で共存することで
症状を改善する政策をとっている。
それでも、家族がいないとか諸事情によって
自宅にいられない人たちが専門の施設で共同生活を営んでいる。
そこで暮らす躁の症状の金持ちの元奥さんと
極度の鬱によって子供を取り上げられ
悲観的に暮らすシングルマザーが出会ったら〜〜?
心を病むとはどういうことだろうか?
愛が深ければ深いほど、ちょっとしたボタンの掛け違いだけで
誰だって心を病むことは普通にあるんじゃないかと思う。
美しいトスカーナの景色の中でどなたかが書いていたように
「テルマ&ルイーズ」のように車で疾走する二人が爽快!
最後はそれぞれに誰かを思いやることで、
病んだ心を修復してゆくような二人の暮らしが
これからも続くことに安堵させられる。
施設の職員の対応も日本の同じような施設はぜひ参考にしてほしい。
★もう一度観るなら?「TVでも良いが有料でもじっくり観たい」
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