「アルプスの雄大な自然に抱かれて。」ハイジ アルプスの物語 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
アルプスの雄大な自然に抱かれて。
この度シリーズ最新作の「マッド・ハイジ」が公開されるということで、本作をこの機会に鑑賞。
正直、いまさらいい年したおっさんがハイジなんてと思いつつ観てみたら、流石地元のスイスで本格的に制作されただけあってか、子供のころに見たアニメ版のイメージを崩さない素敵な作品に仕上がっていた。
まず配役が素晴らしい。500人の中から選ばれたというハイジ役のアヌークを筆頭にアルムおんじ役のブルーノ・ガンツ、クララ、ペーターと主要キャラがみんなイメージのまんま。個人的にはロッテンマイヤー役の人が特に良かった。
そして実際にロケをしたであろう雄大なアルプスの自然も素晴らしい。そんな絵画のような自然を舞台に純粋で心優しいハイジが周りの人々の心を癒してゆく物語。
孤児のハイジは叔母の都合で山から都会へと引っ張りまわされるが彼女の行くところ皆が彼女に魅了される。心を閉ざし山で一人暮らしていたアルムや、病弱でずっと屋敷に閉じこもっていたクララも。
そして都会から山に戻ったハイジを追うように山にやってきたクララは自然の中で暮らすうちに歩けるようになる。きっと太陽光で生成されたビタミンDのおかげで足の骨と筋肉が強化されたのだろう。やはり屋敷にずっと閉じこもっていては治る病気も治らないということだ。
自分の足にとまった蝶を追うようにクララが思わず立ち上がるシーンは本作での白眉だった。
そして都会で暮らすよりも生き生きとしているハイジの姿、そのハイジに癒される人々。原作者がいかに故郷であるスイスの自然を愛して本作を執筆したのかが伝わってくる。
本作、とても素敵な作品だったので、続編の「マッド・ハイジ」を見るのが少々不安になってきた。
コメントする