「物理的にあり得ない動きも。だがバレエアニメの可能性を探求する心意気はよい」フェリシーと夢のトウシューズ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
物理的にあり得ない動きも。だがバレエアニメの可能性を探求する心意気はよい
劇中での決め技に、横スピンしながら前方へジャンプし、空中でスピンを止めるというムーブメントがあるが、これは慣性の法則を無視している。体にスラスターエンジンを搭載しているか、大きな帆を瞬時に広げて空気抵抗を得るのでもない限り、空中でのスピンを着地の前に止めることは不可能。
まあそんなツッコミどころはあるが、バレエをアニメで見せるという試みはかなり良い。今作は子供とファミリー向けという印象だが、もう少し対象年齢層を上げたバレエアニメができたらまたぜひ観たい。
それと、キャラクター設定でちょっと面白かったのが、いわゆる「清く正しく美しく」のありがちなヒロイン像から少々外れて、フェリシーがいじわるなライバル娘に成りすましてバレエ学校に入学してしまうくだり。夢の成就のためには不正も他人の犠牲もしかたない、というエピソードが意外に現実的で、へえと思った。
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