「ビッグ・アス・スパイダー」MEGA SPIDER メガ・スパイダー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ビッグ・アス・スパイダー
軍が隕石の微生物を研究して成長ホルモンを作ったが実験中の野菜にいた蜘蛛が感染、街に逃げて巨大化。この辺の設定は古典の「世紀の怪物 タランチュラの襲撃(1955年)」に通じる定番。
軍も秘密裏に捜査しているが巻き込まれたのはゴーストバスターズのようなコミカルな害虫駆除業者アレックスと病院の警備員の凸凹コンビ。蜘蛛退治がメインだが軍の美人中尉カーリーにぞっこんのアレックスの奮闘ぶりが涙ぐましい。換気ダクトとか繭や幼虫が孵るシーンはエイリアンへのオマージュでしょうか。
B級と侮っていたがビルに登っている蜘蛛のCGなど秀逸、パイレーツ・オブ・カリビアン調のBGMも軽妙でなかなか聞かせます。
昔はCGなんて無かったからアップにすれば気味悪い昆虫はクリーチャーものには格好の素材、蟻とか蜂とか蜘蛛は定番でした。とりわけ蜘蛛のパニック映画は古くは若きクリント・イーストウッドも戦闘機パイロットで出演の「世紀の怪物 タランチュラの襲撃(1955年)」をはじめ20本以上作られている人気ジャンル。
キングとかジャイアントは使われているのでメガとしたのでしょうが原題はBig Ass Spider!、肛門の近くの出糸突起が弱点なので強調したのでしょう、題名からもコメディ仕立てと言うことが伺えます。ただ、グロテスクな殺戮シーンとおふざけキャラは違和感が拭えません。
コメディタッチのプロットでは元祖アイアンマンのようなヒーローVS溶岩蜘蛛の「ラバランチュラ全員出動! (2015年)」の方が数段上手で好みでした。
エンドクレジットで次は巨大ゴキブリとほのめかしていましたね、害虫駆除業者が主役ならいくらでもネタはありそうですが観るかどうかは微妙です。
まあ他愛の無いSFコメデイと覚悟すればシンプルでよくできており、そこそこ愉しめました。