「【”死人に口なし。されど証拠は残る。そして非情なる悪魔を追い詰める執念。”今作は観る側に様々なトリックを仕掛けてくる秀逸なミステリーである。】」インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”死人に口なし。されど証拠は残る。そして非情なる悪魔を追い詰める執念。”今作は観る側に様々なトリックを仕掛けてくる秀逸なミステリーである。】
ー ご存じのように、今作は「インビジブル・ウィットネス」及び「告白、あるいは完璧な弁護」のオリジナルである。
故に細かい事は、「告白、あるいは完璧な弁護」のレビューを読んでいただければわかると思うので割愛する。
だが、今作でも優れたる映画は、優れたるリメイク映画を生み出すという法則は証明されている。-
■実業家のドリア(マリオ・カサス)は不倫相手・ローラの殺害容疑で起訴される。
ドリアは法廷で審理が開始される3時間後までに、敏腕弁護人のグッドマン(アナ・ワヘネル)と反証の準備をしなければならなかった。
ドリアは無罪を主張し、事件の再検証を開始するが、状況証拠は絶対不利だった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作では、ローラと不倫旅行に行ったドリアが、山道で鹿が飛び出した弾みで、対向車と接触し、対向車を運転していたダニエル・ガリードは運転席で”血を流して横たわっている。”
■という所から、ドリアと敏腕弁護人のグッドマンと共に、ホテルの一室で無罪を勝ち取るために、法廷で審理が開始される3時間後までに反証の準備をするために、事故直後からの出来事を、複数パターンで観客に見せる。
そして、今作を観る側は、S・S・ヴァンダインが産み出した名探偵ファイロ・ヴァンスの如く、制作側が仕掛けたトリックを見破れるか、見事にトリックに引っ掛かり、最後の大どんでん返しに”してやられた!”と脳内で思いながら楽しむか、トイウどちらかの道を辿るのであるが、どちらにしても見応えがあるサスペンス作品なのである。
<再後半の、緊迫感溢れる音楽が流れる中、ドリアと”敏腕弁護人のグッドマン”が反駁の証拠を検討する中、ドリアが”敏腕弁護人のグッドマン”を信じて、”真実”を次々に明らかにしていく過程と、反対側のホテルの一室からその姿を怒りの眼で見ている老人、そして後から入って来た老人の”演劇仲間だった”老婦人が真の顔を晒し、二人でドリアの部屋を怒りの眼で凝視するシーンは、見事な作品である。>