「詳細が描かれていなくても、通りすがりの町でありふれた人がありふれた時を過ごす。たった数日の出来事にドラマを見出して葛藤を探り出すケリー・ライカートの演出は見事。」ウェンディ&ルーシー jollyjokerさんの映画レビュー(感想・評価)
詳細が描かれていなくても、通りすがりの町でありふれた人がありふれた時を過ごす。たった数日の出来事にドラマを見出して葛藤を探り出すケリー・ライカートの演出は見事。
登場人物は、ウェンディ(ミシェル・ウィリアムズ)、ガードマン(ウォーリー・ダルトン)、メカニック(ウィル・パットン)のほぼ3人。しかもウェンディがほとんど一人で感じ逡巡し行動する。焚火や列車、車や雑踏の音の中で、人々の日常に埋もれそうなウェンディのひとりぼっち感が、ミシェル・ウィリアムズの眼差しによって増幅されていく。
犬飼いにとっては、スーパーの入り口に犬を少しの時間でも繋いでおくシーンでは「何かが起こる」と直感するのだが、言ったこっちゃない。
そして言うべき時にありがとうとかごめんなさいをすぐに言えない人たち。
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