「SFドタバタ・コメディー」アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
SFドタバタ・コメディー
フィンランド・ドイツ・ベルギーの合作という異例な作品で、前作から30年後の設定のSF作品の続編。しかし、どういう意図でこの作品を作ったのかはよく分からないが、おふざけいっぱいのSFコメディーとして仕上げている。
基本は、人類が自引き起こした核戦争によって、壊滅した地球を逃れた数少ない人類を救済するというよくあるSFストーリー。そこに、『ロスト・ワールド』や『センター・オブ・ジ・アース』を盛り込んだような内容。
物語は、初のアメリカ女性大統領が核戦争を引き起こし、荒廃した地球を棄て、生き残った人類は、月の裏側の月面基地で生き延びているところから始まる。しかし、そこのエネルギーや食糧も底をつき始め、第2の地球を求めて旅立つために、地球の深部に広がるというロスト・ワールドにあるとされる、エイリアンが持ちこんだエネルギー源を求め、アドベンチャーを繰り広げる。
登場人物の中には、歴史を騒がせた史実上の人物である、ヒットラー、サッチャー、ビンラディン、キリスト、チンギスハン、スティーブ・ジョブズ等が、実はエイリアンだったという奇妙な設定で登場。互いを罵り合うシーンは、あまりに間抜けな構図で、ユーモアや風刺を交えているのだろうが、笑えないシーンだった。
それでも、宇宙空間や未開の地であるロスト・ワールドの描き方は、CGを駆使して作り込まれていたが、所詮はB級の内容。90分程度の短い作品で、他に観る者が無くて暇つぶしには、よいかもしれない。
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