「この映画に、迫力という点は、求めないでください。」バリー・シール アメリカをはめた男 お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
この映画に、迫力という点は、求めないでください。
アクションやサスペンスを映画に求めてしまうと、しょせん実録物はフィクションに負ける運命にあります。
フィクションならなんでもあり。CG使い放題でいくらでもサスペンスを盛り立てることができますから。
なので、この実録物映画があまり高い評価を集めていないのも理解できなくもありません。
迫力という点から見れば、フィクションには勝てませんから。
しかし、予告編などではまったく触れられていないテーマこそがすごいと感じました。
日本人にとって、アメリカの「コントラ疑惑」なんて、まったく無関心なので、あえて予告編ではスルーしていたのだろうと思いますが、アメリカでは大統領が辞任スレスレのところまで行くほどの大問題になった大疑惑です。
しかし、裏の構図がまったく理解できませんでした。この映画を見るまでは。
映画を見て、すっかりと腑に落ちました。
反政府組織をアメリカが焚きつけてクーデターを起こさせようとしたのに、その肝心の反政府組織が、お金儲けだけにしか興味がない組織だったなら、この映画が指摘する通りの結末となってしまうのも当然ですわな。
その結果として、アメリカ国内にコカインが氾濫するようになり、反アメリカの武装グループが強力な武器を手にできるようにもなり。
つまり、CIAの陰謀の結果として、アメリカ中に薬物の害毒がまき散らされるキッカケとなり、同時に強力な外敵を育成してしましたとさ、という告発なわけです。
こう書いてしまうと単純なのですが、真正面から事実を告発してくれたことについて、★5つを進呈します。
それにしても、と思うわけです。
Because couriers are always expendable, that's why だね、と。