「現金に物理的にとらわれる飛行機馬鹿のお話」バリー・シール アメリカをはめた男 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
現金に物理的にとらわれる飛行機馬鹿のお話
クリックして本文を読む
トムクルーズだから辛うじて見終えられる。
CIAなどと言っているが、飛行機操縦という一芸に秀でているだけで、頭脳戦とは無縁。
危険を顧みず持ちかけられた儲け話に乗っているうちに、要注意人物となり、どんどん背景の雇い主が変わり大ごとになっていく。
同じような麻薬に絡んで浮かれる話でも、ウルフオブウォールストリートのディカプリオほどスマートな見た目でなくて良い。パイロットの技術力は高くても、ただの運び屋なのだから。詐欺ではないから、キャッチミーイフユーキャンのような頭が回る感じもなくてよい。
そうは言っても、背がそこまで高くなく、体型もお顔も相応に歳を重ねてきたトムクルーズが熱演してしまうと、トムクルーズの良さは活きてこない。「女子と身内には誠実」なイメージがついたトムクルーズにも、この役はマイナスだと思う。キムタクのように、役をキムタクに寄せず、役を全うするために自らを寄せるのがトムの良さではあるのだが。
いかにうまく莫大に稼いでいても、物理的に体重以上の物を運ぶのが大変なのは人間として変わらないから、逃げ出す時は、飛行機は使えず丸腰で担ぎ出さねばならない。紙幣の体積や重さに苦しめられているのが滑稽で面白かった。速い飛行機を運転してみたい欲にかられ、お金に目が眩んで美味しい話を断れない男。いくら稼いできてくれても、ハイリスクでほぼ不在な夫の子を何人も産む奥さん、すごい。
コメントする