劇場公開日 2017年10月21日

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「今の時代の深刻さが一層身に染みる」バリー・シール アメリカをはめた男 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今の時代の深刻さが一層身に染みる

2017年10月22日
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昔は良かったなぁ、という郷愁みたいなものを描く映画が最近増えてますね。日本も、アメリカも。
難しいことはさておき、中南米の麻薬組織や犯罪集団については、いまのISのような怖さや不気味さがあったのに(日本の商社マンの若王子さんが誘拐されて指を切られた写真とかが公開された事件があったような記憶があります)、この作品の中では、麻薬組織の人たちも基本は人間臭くていい人たち、みたいに描かれてたように思います。
アトミック・ブロンドの時代背景も冷戦ですが、相手が具体的に見えないテロとの闘いよりもソ連や小国の共産勢力との闘いの方が良かった、そしてその頃の方が、アメリカの国力(諜報にしろ、軍事力にしろ)が優位に発揮できたし、自信が持てた。ということなのでしょうね。
経済格差ものっぴきならないところまできてるし、先行き不安で不透明な状況の解消もなかなか目処が立たないので、せめて古き良き元気だったあの頃(実際にそんなに良き時代だったのかはわかりませんが)を思い出して元気になろうよ、という励ましの映画かも知れません。
レーガンさんは政治的な支持不支持に関わらず、日本の角栄さんのように人気があるのですね、きっと。

グレシャムの法則