「The Greatest Love of All」ありがとう、トニ・エルドマン いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
The Greatest Love of All
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邦画では追いつけない逞しさを感じさせてくれる今作品。なるべくBGMを抑え、静寂と行間を読ませるような感情の抑制と、我慢していたモノが弾ける唐突の展開に、期待以上のカタルシスが用意されているストーリーとなっている。序盤は、娘を心配する父親のやるせなさがしんみりと表現されていて、ただ冗長ぽさを感じさせるが、ウェイティングバーのエルドマン登場シーンからは、もう切なさと寂しさをガンガンぶつけてくる。しかしそれが決してオーバーな演出になっていないのが娘役の演技によるものだと思うのが、表題のホイットニーヒューストンの曲を歌った辺りでの吹っ切れ方と、爆発力でガラッと画の雰囲気を変えたことによる転換で物語っている。何もかも馬鹿馬鹿しくなった娘の取った行動の影響は勿論父親の影響なのだが、ここに父と子の結びつきの強さが如実に表わされていて、愛おしさもひとしおである。
ハリウッドでリメイクとの話もあるようだが、これこそ邦画でリメイクすべきなのではないだろうか。キチンと逃げずに女優はあの演出を受けるべきだけどね。脱ぐことを厭わずにチャレンジすべきだ、役者達!!
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