「娘に会うのに、なぜ変装までしたのでしょう。」ありがとう、トニ・エルドマン 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
娘に会うのに、なぜ変装までしたのでしょう。
父と娘の関係をユーモアに描いた作品。二人の関係も別れたり、現れたりの繰り返し。エルドマンがピアノを弾き、イネスが歌を披露する場面は、熱涙でありました。彼ら親子のつながりの太さを感じました。しかしこの映画の流れは、個人的に退屈した。イネスの会いに行くのにいちいち変装して現れるエルドマン。彼が現れるたびに驚くイネスに笑いました。いたらず好きの父とキャリアウーマンの娘の微笑ましい関係性にホロっとさせられた。
しかし、娘に会うのにいちいち変装するのは、如何なものか?
観客に「変装」の面白さを見せたいのか。娘のことが心配で、あのような格好しなければいけなかったのか。そこがよく判らない。
自分の思いと監督が言いたいことが、ズレて伝わる心配も非常に考えられ得る。父と娘の関係をユーモラスに描きたかったのか。ただ、娘が驚く姿を見て父は満足であったのか。着地点がはっきりしない所に、些か首を傾げたくなった。
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