「作品を見て得るものを探して欲しい。」グレイテスト・ショーマン りんご大福さんの映画レビュー(感想・評価)
作品を見て得るものを探して欲しい。
P.T.バーナムの一生は「バーナム」と言う作品があるので、そちらの方がきちんとしてるかもしれない。そちらは詳しくは分からないが、自分自身この作品を見てバーナムの自身に共感は難しかった。サーカスの元祖の人なんだけれど、どちらかと言えば見どころの1つに周囲の優しさが凄く感じられる。泣いてしまう。それぐらい人に優しい。あんな仕打ちされても優しくされるのはバーナムが慕われてたとも考えられるが、ちょっと違う気もする。人に優しくする人は自分が「孤独」や「苦悩」や「蔑まれ」「嫌われ」存在を認められなかったそんな人達。だから人一倍寂しさも孤独も苦悩も知っているから優しいのだと思う瞬間、自分の愚かで冷たい気持ちも同時に嘆く、自分なら「見捨てる」そんな人は多いだろうが、人に優しくするのはとても難しいと改めて感じた。また別の見どころで恋をするシーンがある、でもただ恋をするなら誰でも記憶の中にあるはず。ただ一目惚れをこれほどまで美しく再現した作品も珍しい。時間が止まりゆっくりと流れ始め、そして息をする事も忘れ周囲の音が静寂になり心臓の脈しか聞こえないその光景を己の目に焼き付ける。色々起きるが一目惚れはどんな瞬間でも美しい。一目惚れは仮に相手が人でなくてもするものだと思う。曲でも絵でも空でも花でもどんなものでも。その経験を再現したかのような美しさだ。また音楽もショーの見せ場どの部分も力強さと繊細さと興奮する作品だろう。ただアニーのようなミュージカル作品ではない。だから笑いあり涙ありではなくただ淡々とストーリーは曲とともに進む。なのでただ面白いと思ってみるなら、彼等の人生と見どころに興味を持ってもらえればとっつきやすくなると思う。それを少しでいいから思い出して見てもらいたい。きっとそこにはまたそれぞれの得るものがあると思う。