「主人公の人間性を肯定できなかった」グレイテスト・ショーマン irisさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の人間性を肯定できなかった
とても話題で評価も高かったため見てきました。
レティと歌姫の歌声は素敵でしたが、主人公やストーリーがイマイチ。
主人公が貧しく苦労した少年時代や、フリークスたちの描写をもっと丁寧につくってほしかった。
何より、私は最後まで主人公を肯定できませんでした。主人公の人間性がたまらなく不快だった。
金儲けのためにフリークスを集め見世物にしたあげく、ある程度金を得たらフリークスたちを差別。「みんなに愛される」や「みんなが君に敬礼する」というような文句で、コンプレックスを抱えるフリークス達をその気にさせるけど、そんな言葉は本心でもなんでもなく口車に乗せただけ。クズな詐欺師にしかみえなかった。人の心をなんだと思ってるんだ。ゼロから始めたメンバーや家族をおざなりにするあたりも不快。歌姫に迫られても家族を愛して踏みとどまったところだけは評価できる。
良い人では成り上がっていけないのだろうと思うと、ある意味この主人公はとても現実的ではあるけれど、最終的に周囲が彼を肯定しているのは非現実的。フリークスはもっと怒っていいし、あの上流階級出身の相棒が見出した誇りを持てる仕事に出会えた喜びとやらも描写が雑。酷評してた記者も何故慰めにきたのか。違和感があった。
まぁそもそも私は人の誠実さを重視するタイプなので、主人公が失業後に家族がいるのにまともに働かず奇想天外なことを始めた時点で「コイツはだめだ」と思ってしまっていました。とにかく感情移入は無理でした。誠実で真面目であることが大切だ、地道に努力することが大切だ、と思っている人にはオススメできません。
乱文失礼しました! 。