劇場公開日 2018年2月16日

「捨て曲なし!」グレイテスト・ショーマン nagiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0捨て曲なし!

2018年2月18日
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鑑賞方法:映画館

ミュージカル映画は50年代に黄金期を迎えるが、現代まで徐々に衰退の一途をたどった。しかしここ数年、鬼才デイミアン・チャゼルによるジャズ・ミュージカル映画の復活宣言がなされた。ミュージカル映画は今再び日の目を見ようとしている。

チャゼル監督は黄金期のMGMのような古典をリスペクトした非常に良質で艶やかな作品を完成させたが、多様性はあってもいい。

本作は『ラ・ラ・ランド』の制作チームが『レミゼラブル』のジャックマンとタッグを組んだ作品であるが、魅力はそれだけではない。私はこの作品の見所は、曲のクオリティが著しく高いところであると感じた。どの曲もキャッチーかつ泣ける。曲を中心に演者によるダンスが画面一杯に回転し、我々をもその渦に呑み込む。オープニングの"The Greatest Show"は一気に我々をショウの世界に引き摺り込むし、ハイライトは"Never Enough""This is Me""Rewrite the Stars"の3曲だろうか。("This is Me"がピークであることは自明。)他の曲も全く捨て曲がない。曲の素晴らしさでいえばミュージカル最高傑作の1つと言っても全く言い過ぎではないだろう。

ストーリーの『SING』的なチープさはあるが、ミュージカル映画とはフレッド・アステアの頃からそういうものとして受け入れられてきた。それが気にならぬほどの曲の素晴らしさがあるのである。

ダンスに関しては『ラ・ラ・ランド』とどうしても比較してしまい、惜しさも感じてしまう。

それでも、ヒュー・ジャックマンの『LOGAN』からの本作への変わりようは流石大スターである。カーライル役のザック・エフロン、『きみに読む物語』に出ていた気がして調べると全くの別人だったのも印象的。

nagi