「お金を返して欲しい」結婚 石塚さんの映画レビュー(感想・評価)
お金を返して欲しい
映画見て、こんなに帰りたくなったの初めてでした。
お金を返して欲しい。
『このまま自分は幸せになれないのでは』
『愛される資格がないのでは』
と自信だけがすり減らしながら
幸せなカップル達の相手をしないといけない家具屋のスタッフ
周りの人間を見返したい欲求だけが高くなっていき
そのまま誰も見返すことが出来ない女性達が
ある日その欲求を満たしてくれる男性である
結婚詐欺師のディーンフジオカに嵌っていきます。
ディーンフジオカは結婚詐欺師でありながら結婚してるが、
そのディーンフジオカの傍に居たいが為に
結婚詐欺師の元被害者ながらも相棒を自称し、
ディーンフジオカの女気取りをする『ルリコ』が、やかましい。
声もキンキンするのに
やたら店で大声上げて結婚詐欺の話をするし
芝居も動きも、とにかくやかましくて
初登場から既にうんざりしたほど。
『ちょっと考えたらお前から足がつくの分かるよな』
という事をめっちゃやります。
自分を仲介と称して、
連絡や打ち合わせをせずに勝手に予定を入れる。
(単純に迷惑)
望んでもいない、知り合った女の仲介。
(詐欺をして逃げた後に確実に女の元に行くので
居場所等がバレやすい)
信用を上げるために小芝居するが
バーで必ずジントニックのジンとトニックを分ける飲み方をする
(印象に残るので、興信所とか探偵を使われて
探された際に2人とも今後そのバーが使えなくなる)
終盤には急に前触れがなく
ルリコがディーンフジオカ嫁の元に電話をして匂わせる
(執着心と自己顕示欲の演出だとは思うが
映画の中にてルリコとしての
『何でそんなことしたのか』という理由も脈絡も無く、
また芝居も理由付けがないので
テーブルから立ち上がって関係ない場所に歩き出すので
あのルリコ役の女優の行動から
台本のト書き内容が透けて見えるようで違和感がある)
あと咀嚼音やキス音声がやたらうるさい。
行為シーンが殆ど無い分、
物を食べる際の音やキスの音で
艶っぽさを出したかったんだろうけど
ムチュムチュペチャペチャクチャクチャと度を超えた音が
何かしらで続くので単に『気持ち悪い』としか思えない。
しかもラストにはディーンフジオカは海に身を投げ
見知らぬ場所に流れ着くのだが、
ルリコは萬田久子とは普通に連絡を取って
萬田久子から『もう平気なの?』と言われている。
いやいやお前も犯罪者なのに
なんでお前だけお咎め無しなの!?
ルリコを見ていると男性から見た
『女ってこういう感じだよなw』という
男性から見ためんどくさい女性像が見える。
結局、結婚してたというのも
ディーンフジオカが幼い頃に母親に殺されかけた故に
あの頃の母親への執着心(妄想) という話だったのだが、
そうするとルリコが電話ごしにバラしたのは何だったのか
自宅の固定電話に留守電を入れたのかとも考えたが、
ディーンフジオカは携帯を持っていて連絡を取るのに、
そんなわざわざリスクしかなく、同じ秘密を共有する
口の軽そうな女に自宅の固定電話を教えるのも不自然
じゃあルリコはどこに電話掛けたのか。
とにかく説明がつかない。
自宅の妄想嫁は
幼い頃に結婚するからと自分を捨てた母を
投影していたのだけれども、
それほど母に執着していたにも関わらず
最後に萬田久子が
『彼が結婚詐欺師をしているのは結婚するからといって自分を捨てた母を女達と重ねて復讐していたのかもね』と言っていたが
女達からしたら
『その悲劇の生い立ちと
騙されて大金を取られる事に何の関係があるのか』
という話である。
この映画こそが詐欺でした。