「15年の時を経て、再びこの映画は現代に甦る!」ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
15年の時を経て、再びこの映画は現代に甦る!
世界中が2人の女性に騙されたあの事件。
世界中の被害者の方に「騙された大賞」をプレゼントしてあげたい(笑)
なぜ今、この事件が再び映画化されたのか?
今日の試写会のトークから、掴めたことが沢山ありました。
ゲストの方は、15年前にJTリロイが執筆した『サラ、神に背いた少年』を日本に送り出した元出版社の方。
当時は、この小説は絶対売れると確信して売り出したみたいです。
まさか、JTリロイが偽物だとも知らず、カンヌの映画祭にまで足を運んだというから可哀想。
まさか、騙されているなんて誰も思わず、彼女は彼だと思い込んでいたとのことでした。
人間って、簡単に情報に搾取されてしまうものなのね…。
SNSで簡単に人を騙せる今の時代に通じるものを感じました。
真実なんて、仮面をかぶって仕舞えば誰にもわからない…。
映画の中に『裸の王様』が例えで出てきましたが、王様が裸だって思っても、1人の権力者が素敵な服を着ていると言えば皆それを信じてしまう…。
人は信憑性さえあれば、簡単に騙されてしまうというのをこの映画で学びました。
だからこそ、人を騙し続けJTリロイとして演じ続けた、サヴァンナの裏の裏の姿がとても切ない。
いけない事だと分かっていながらも、雪だるま式に膨らんでゆくフェイクを止める事が難しくなっていくから辛い。
付き添いのローラの束縛から、逃れられずに、どんどん深みにハマっていく姿がとても哀れでした。
醜くて大柄の自分の代わりに、若くて美しい美少年の姿を投影させた付き添いのローラ。
嘘の自分を隠し続けた先にある真実の姿とは…。
なかなか奥の深いラストに仕上がっている映画でした。
こういう考えさせられる映画って、後からジワジワくるから面白いです
(о´∀`о)