劇場公開日 2018年6月23日

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「ライオン、脱毛、ハマス批判。」ガザの美容室 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ライオン、脱毛、ハマス批判。

2022年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 戦争が日常であるガザ地区。平和とはかけ離れているようだが、そんな中でも平常を保とうと女たちは美容院をサロン代わりにしていた。離婚の話、妊娠の話など他愛も無いように思えるが、一歩外に出たら男たちは銃を構えている。戦争は愚かな者が行うもの。女たちは現実を非難しながら会話に花を咲かせている。

 イラン映画なら見慣れているけど、パレスチナ映画はまだ数本。女性の自由、人権を謳ったものが多いけど、ここまで女性だらけの作品は珍しい。言ってみれば、パレスチナ版「この世界の片隅に」といったところだろうか。ちょっと違うのは政治にも関心を持ち、軽く政権批判しているところ。「イスラエルはおまけ」と言ってみせるほど、真の意味での反戦かもしれません。ただし、戦争描写は音だけ・・・

 原題のdegradeとは品位を落とす、自分の品位を下げるといったところなので、彼女たちの雑談そのものを表していたのだろうか。ヒジャブを被った信心深い女性と、店主のクリスティンが品位を保っていたけど・・・

kossy