草原に黄色い花を見つけるのレビュー・感想・評価
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最後のアニメーションが綺麗だった。
亜熱帯地方の田園とジャングルが良く描かれていると思う。この辺りの米はたぶん、三毛作のインディカ米だと思う。季節も雨季と乾季の二つで、この映画は一年を通して、撮影されたと、田圃の様子から分かる。
さて、脚本は少し欲張って色々な事を網羅させすぎていると思う。ほぼ、破綻しかかっている部分もある。映像が綺麗だけにもったいない映画だ。
個人的な事を言うと、こんな聞き分けの良い弟など、絶対にいない。僕も5歳年下の弟がいるが、ほぼ一方的にいじめていた。聞き分けが良いのではなく、聞かせていたって事。真のDVだと思う。
最後のアニメーションが綺麗だった。
人が人を想う、あたたかな気持ち
1989年のベトナムの農村が舞台なのに、なぜか自分の子ども時代や身近な兄弟に重ね合わせ雄大な風景の中に自分がいるような感覚で観てしまいました。貧しさや戦後の名残りはあるのに悲惨さはそこまで感じさせることなく、日々の暮らしを楽しみながらたくましく生きる兄弟とムーンの姿がほほえましくとても懐かしかったです。
お祭りのシーン、空き缶を2つ組み合わせてカラカラ走らせて遊ぶおもちゃやろうそくの入ったランタンはベトナムの農村のお話なのに、なぜか私に浴衣を着て出かけたふるさと日本の夏祭りを思い出させてくれました。草を帆にした舟が出て来ますが私も似たような笹舟を作って遊んでいたし、お祭りでろうそくの入った提灯を持って歩いたし、棒の先に車輪のついたアヒルや自動車をカラカラ走らせて遊んでもいたそんな自分の子ども時代を懐かしく思い出させてもらえました。
そして、私は姉なので、純真無垢で愛されキャラの弟をかわいいとは思いつつも妬んでしまう兄の気持ちが痛い程理解出来たし、ムーンのあの態度も手に取るように分かりました。ただの友達とは気軽にじゃれあえるのに、本当に好きな人の前では、自分の気持ちが大きくなりすぎてることに気づいて恥ずかしくなり喋れなくなったり、逆にどうでもいいコトばかり喋り過ぎてしまったり、、、
このまま三人の模様を描いた流れで映画が終わるかと思いきや、最後に黄色い花の重みを全く別の形で知ることになり、、、
【草原で黄色い花を見つける】ぜひ観てほしい作品です。
国や文化を越えて、ノスタルジーと家族の愛に浸り、人を想うということ…について考えさせられる、あたたかい映画です。
自国が自ら『独立』を勝ち得た国の作品
ベトナムは、第二次世界大戦後のフランス支配のもと、苦難と残酷な歴史を乗り越えて現在に至った。その知識を踏まえて作品を拝見させて頂いた。
この作品は、「草原に・黄色い花を見つける」という題名ではあるが、主役ティアラ少年が草原で黄色い花を見つけた。ことになっているがそうだろうか。作品中で「黄色い花」が出てくるのは、中盤から。黄色い花は、この作品の大きな軸になっている。序盤あたりから「黄色い花」を出すべきではなかったのではないだろうか。「黄色い花」がこの作品の位置づけが曖昧である。「黄色い花」は、何の象徴なのかが不明瞭。(最初の方は、ウトウトしてしまいました。猛省。)
貧しい人たちの生活と美しい自然の雄大さのコントラストは素晴らしかった。色々なエピソードを盛り込みすぎたのではないかという感がある。
少女ムーンと少年が別れる場面で十分であったような気がした。少年の
誤解で弟トゥオンが大変な怪我を負ってしまう。ムーンとの別れにトゥオンが立ち会えなかったのは非常に残念である。ムーンから貰った本をティアラが読み始めるが、監督が「恋わずらい」を描きたかったため、そこまでの過程の描き方が、多少雑になってしまったような気がする。『青いパパイヤ・・』の方が作品が上品な出来であると思う。
演技は、主役ティアラより怪我を負わされたトゥオンの方が上手いかな?
独立を得るため苦難の歴史を歩んだ「ベトナム」。これから映画業界が更なる発展することを願う。
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