「クソサメ映画を金でカバーすると名作になる?」MEG ザ・モンスター サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
クソサメ映画を金でカバーすると名作になる?
まずストーリーだ。太古の大型サメ、メガロドンが深海のさらに奥深く、未知のエリアで生きていた。この導入はいい。未知のエリアは硫化水素?と低温水の膜で既存の深海と断絶されており、外の深海とは全く異なる生態系が存在していたというのだ。ナチスの生き残りが遺伝子操作で怪物サメを作ったり、氷河の中から息を吹き返したりするよりは相当に説得力がある。いいんじゃないか。
そしてそのサメが調査隊の潜水艇を追って外の世界に出てきてしまった。史上最強のプレデターを討伐しなければならない…!
ここからが突っ込みどころのオンパレードである。保身にかまけて混乱を起こす大富豪、危険行為を繰り返す女研究者、単身メガロドンに挑むステイサム、突然発生しだすラブロマンス、満を持してのメガロドン討伐。どこをとっても首をひねるような展開が、ハイクオリティCGと共に君を待っているぞ!
ということで、話自体はその辺のクソサメ映画とあまり変わらない。ステイサムに「プラネットオブシャーク~鮫の惑星~」や「ゾンビ・シャーク」に出てもらえれば結構な作品になるんじゃないのか。
じゃあ、金を使っただけのクソ映画なのかというと、そこはやはり資本金の強さが活きてくる。メガロドンを追う研究者たちの設備・装備はSF感が強く、それを見ているだけでも満足できる。「メガシャークvsタイタン」はもっと見習って。
そして何よりその辺のサメ映画と異なるのは、やはりメガロドンだろう。のっぺりとしていない、呼吸や感情すらうかがえる、実に自然に人間たちを襲う、圧倒的クオリティのCGサメだ。その辺のサメ映画にはこれがない。あればきっと、もっと面白くなるのだ。どんなサメ映画でも。
ということで、ストーリーは結構ギャグ。しかし研究者たちやサメのリアリティを確保することでそこそこの名作に収まっている。そんな気がする。
……超人ステイサムがガチタイマンのガチ殴り合いでメガロドンを倒していたら星5にして大絶賛したのに。