ビヨンド・ザ・トレックのレビュー・感想・評価
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高尚?難解?陳腐?
トレックとあるがスタートレックとは無関係、ポスターからはアクションものに見えるがクリーチャーも宇宙人も登場せず見せかけだけ。では、どういう映画なのかと言うと人間とは何かというシュールなネタもの、といってスタンリー・キューブリックほどの芸術性はない。
それでも高尚にみせる為かトルストイ、モリエール、孫子を暗唱したりアブストラクトな殴り描きの絵やヘビメタを出して雰囲気づくりに懸命だ。
土星の衛星タイタン近傍の通信途絶の宇宙船の探索に向かう5人の乗員が主人公、なんと彼らは遺伝子操作で生まれた完璧人間。宇宙船に残っていたのは気がふれた男とチャイナガール風のアンドロイドだけ、見どころは宇宙船に何が起きたのかの謎解きと、完璧人間、凡庸人間、アンドロイドの巻き起こす風変りなドタバタ劇。
(以下ネタバレ)
地球本部からの再三の指令は宇宙船の積み荷を持ち帰れといってくる。それは汚染した地球の大気を浄化する秘密物質らしい、まるでイスカンダルに向かうヤマトのような任務です。ところがそれは水と反応すると即死させる猛毒物質らしい、何の為?、まるでエイリアンを持ち帰れといったユタニ社の企みのよう。従順にみえるアンドロイドも実は曲者、自身をセックスロイドに改造した殺人マシン。一方、完璧人間と謳われていた彼らだが徐々に本能が覚醒、感情のコントロールが効かなくなって内輪もめ。生き残った副長のアイリス(サニー・メイブリー)も自らタイタンに消えてゆく・・。結局、完璧なものなんてありはしない、凡庸な人間のみが生き残るというのがメッセージだったのでしょうか、うがった見方をすれば高尚さを装えば観客の方が勝手に膨らませて評価してくれるといった狙いかも、B級映画と一括りにできない癖の強いSFでした。
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