ごはんのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
東京で派遣OLをしている寺田ひかり(沙倉ゆうの)。
父・肇(井上肇)の訃報により、数年ぶりに故郷の京都に戻る。
肇は、米作農家。
近所の人から田圃を預かり、米づくりをしていた。
「源ちゃん」と呼ばれる見習いみたいな青年(大渕源八)はいるが、脚を骨折して農作業が出来ない状態。
ひかりは、近所に断りを入れに行くも、どこも人手不足で米づくりなどできない、最後まで面倒見て、と言われる始末。
追い詰められたように、派遣の仕事も終了の通知が・・・
ひかりは、なぜ父があれほど米づくりに入れ込んだのか、それを知りたく、源ちゃんとともに米づくりをはじめる・・・
といったところからはじまる物語。
米づくりだけで2時時間の映画。
それを面白く作れるのは、「米農家」の監督ならでは。
36カ月(米づくり4回)にわたる撮影、暴風雨の中、ひとりでの水田撮影など、感服する。
が、序盤の父の葬儀シーンなどは長いなぁ。
ちょっとテンポも悪い。
終盤、肇の臨終など回想シーンも良い画は多々あれど不要、蛇足感が強い。
安田監督、演出畑出身ではなく、もともとは撮影畑のひとだからかもしれないけど。
個人的には、クライマックスは急ぎ足ぐらいで見せてくれるのが、丁度良いと思っているので、回想シーンは好きではないので。
なので、回想シーンは省いて、ひかりが獲れたての米の「ごはん」食べて、翌春の田植えしたい気持ちに繋げてほしかったな、と。
なお、舞台挨拶で、なるほどと納得したのは「当初あった恋愛要素を排除した」こと。
恋愛する余裕などないだろうし、これは正解。
で、ズボンはどうやって履いた?
『侍タイムスリッパー』の安田監督の過去作がリバイバルとのことで鑑賞。
正直、中盤がかなり退屈だった。
水の出し止めの同じような絵面ばかりで、他の作業はダイジェスト。
何かしら失敗してもゲンちゃんがすべて「大丈夫」で流すので、深刻さも生まれない。
終盤でガチギレ展開でもあれば落差に活きるが、それもナシ。
それどころか、衝突した翌日に顔を合わせた途端にお互い謝っておしまい。
周囲の協力も、キャラが立っていないので盛り上がりに欠ける。
もう少しドラマ性を出せそうなのに勿体ない。
ヒカリは歳の割にメソメソし過ぎだし、後半ちょっと性格悪くなり過ぎ。
沙倉ゆうのの声の可愛さもここではマイナス。
ゲンちゃんはコメディリリーフにはなれたが、応援したくなるキャラではなかった。
いい話風に語ってたけど、トマト泥棒だし。
お父さんも最後急に色々ぶっこまれてもなぁ…
大筋は悪くないし、ゲンちゃんもコンバイン逆走してたのをサラッと見せるのは好み。
田園の風景とその移り変わりは美しかった。
しかし芝居は全体的に拙いし、キャラや展開も微妙。
米作りの実態を更に描き込むか、もっとコメディに振った方がよかった気がする。
あと、新米を炊飯器は少し残念だったので、ここは土鍋とかで炊いてほしかった。
50000回斬られた男の助太刀
令和米騒動の最中に鑑賞することになってしまった。
余計におまんまの有難みを感じることに😥
侍タイムスリッパーを観て、京都で実際に稲作をしている監督の作品を観たくなって菊川詣。
初めての菊川ストレンジャー。
この界隈は居酒屋の誘惑が多過ぎる😅
親の背中を追いかけて生きていける人の幸せ。
ゲンちゃんとヒカリの異なる立場からそれをじっくりとみせられた。
自分の父親をゲンちゃんに取られたような気持ちになって、嫉妬のあまり、明日から来なくていいとゲンちゃんに向かって言ってしまうヒカリ。
東京で派遣切りされた元バスガイドのOLが下請けのそのまた下請けの労働者切り?
そりゃないぜ。
しかし、互いを思い遣り、歩み寄り、すぐ仲直りする二人。
出穂(しゅっすい)
勉強になった。
実るほど頭を垂れる稲穂かな。
稲の海の上を渡る風。
金色の稲穂を照らす夕焼け。
ゴッホの絵みたいだった。
アカガエルもいた。
タニシもいた。カマキリも。
YANMARの赤いコンバイン🤩
つい、小林旭のあの歌が····
亡くなった父親が苗を植え、自分が初めて収穫したお米を一人で食べることになったヒカリ。
ゲンちゃんの九州弁から訛りが消えた。
ゲンちゃんの思い遣りは柄にもないやせ我慢😄
武士は食わねどやせ我慢。
心の中で自分を戒め、
「今日はまだその時ではない」
とつぶやいたに違いない😎
ゲンちゃんには幸せになってほしい。
🎶 風に逆らう
俺の気持ちを
知っているのか
赤いコンバイン〜
🎶
燃える男の赤いコンバイン
それがお前だぜ
いつも仲間だぜ〜🎵
刃物はまかせろ❗
50000回斬られた男の助太刀!
福本清三さん。
実にお見事でした🙏
沙倉ゆうのさんのバスガール姿がみたかった❗
発車〜 オーライ🎵
あかるくあかるく走るのよ〜🎶
おわり。
米作りエンタテイメントムービー、だそうだ。
「侍タイムスリッパー」の私のレビューに共感を頂いた方のレビューを読んでいたら隣に安田監督の前作「ごはん」(2017)のレビューが。はて?なんと現在都内で上映中ではないか。
9月24日(火)
都内東部にある唯一のミニシアター、客席数49の菊川のストレンジャーで「ごはん」を。
[粗筋]
父親の急な訃報に東京で働いていたヒカリは故郷の京都に戻る。幼い時に母を亡くし、東京に就職したヒカリは正月にもわだかまりのある父のいる実家に帰っていなかった。
亡くなった父は年老いた農家に頼まれ30人分の田んぼの耕作をしていた。ヒカリは米作りは素人だったが、父が残した田んぼの稲を、頼まれた農家のためにもなんとか収穫までこぎつけようと引き継ぎ、父に弟子入りし米作りを学んでいた源ちゃんと協力して米作りに精を出す。東京の派遣会社からは解雇されてしまう。ゲリラ豪雨で駄目になる田んぼが出たり、熱中症で倒れたり、収穫中にコンバインが壊れたりと、様々な苦労の中、やっと収穫にこぎつけるのだった。
自分で収穫した米を精米して炊いて食べた「ごはん」の美味しかった事。
父に感謝した時にヒカリは初めて気付く。父が亡くなるまで被っていたボロの麦藁帽子にマジックで書かれた文字に。それは小学生のヒカリが父に贈った麦藁帽子に書いたものだった。
安田淳一監督がどんな映画を撮っていたのか観てみたくて菊川まで足を運んでみたが、素晴らしい米作りエンタテイメントムービーだった。
日本の米農家の就労年齢が65歳を超えていること(新潟の私の親族も高齢で田んぼを若い人に任せている)
米作りには過去の経験則が活かされていること
稲の鮮やかな緑と田んぼを渡る風の美しい風景
黄金色に実った稲穂の頭を垂れる姿
水が出入りする田んぼの姿の変化
これらを見せ、米作りの大変さと喜びを見事に表していた。
一度押し入れにしまい込んだ父の麦藁帽子を、美味しいご飯を食べてもう一度引っ張り出して飾ろうとする時に自分が書いた文字に気がつく所も良かった。
先週「侍タイムスリッパー」を観たばかりなので、ヒカリは助監督の優子ちゃん、父親は撮影所長、おばさんはお寺の奥さん、葬儀の客には住職もいる。安田組なんですね。
そして、いちじくやトマトを作っている農家の西山さんとして登場するのが、福本清三さんだった。
鎌での稲刈りを手伝う時に「刃物の事にはうるさいぞ」なんて台詞があったりして。
結局、殺陣師の役をやってもらいたくて「侍タイムスリッパー」の脚本を監督が福本清三さんに送っていた事が、後に東映撮影所を使える事に繋がったようなので「侍タイムスリッパー」のクレジットに福本清三さんが登場するのだろう。
今日、菊川でやっと入手した「侍タイムスリッパー」のフライヤーに安田淳一監督の言葉が載っていた。「お米も映画も丁寧に作っています。」
安田監督、「ごはん」を観てもそれは判りましたよ。
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