「大人向けのファンタジー」怪物はささやく イガグリさんの映画レビュー(感想・評価)
大人向けのファンタジー
おじさんになってくると,ひねくれてきて,ちょっとした映画で泣くということはなくなる。
しかし,この映画は泣けた。
冒頭に子どもというには大きすぎ,大人というにはまだ幼いという言葉がある。まさに,その少年が試練を乗り越えるという話。
母の病気は治らないのかもしれないが,母と子は治るものとして日々を送っている。そうしなければ生きていけない。でも,そうやって現実から目を背けていては試練は乗り越えられないし,大事な人に大事なことを伝えることもできない。そういう矛盾がどうやって着地するかが問題なのだが,うまい映画作りをして結末につなげている。
映像もすばらしいし,演技もみなすばらしい。とくに主役の子の地肩の強さはハンパない。
万人におすすめできる。子どもよりもむしろ大人向け。
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