「繊細でほっこり見られるラブロマンス」おとなの恋の測り方 てっぺいさんの映画レビュー(感想・評価)
繊細でほっこり見られるラブロマンス
背が低い恋人、それに対する女性の心理描写を、繊細な演出で表現したほっこりラブロマンス。ユーモアも全体に散りばめられていて見やすいし、雰囲気がいい。
障害という言葉を多用はしていなかったけど、障害=体の特徴、に過ぎない事を、たくさんのユーモアとアレキサンドルの明るさでやんわりと描いていたように思う。「自分にも他人にも嘘をついていた。明るく振舞っていた」アレキサンドルが本音を言うシーンで、映画が締まったというか、障害をテーマに扱う類の映画の中で、有意義なものになった気がする。
ディアンヌの心理描写も繊細。全体を通して、彼女の目線のシーンを多用しながら、“言葉”を使わない心理描写手法だった。
悲しいシーンには雨を降らせて、楽しい時にはノリノリのBGMをかける、分かりやすい演出も、変に凝った分かりにくいモノよりは全然いい。
一つ、大事なシーンで理解が難しい所があった。アレキサンドルがディアンヌの言葉に傷ついてディアンヌを帰らせるシーン。劇的な感情の変化が起こるような展開には感じなかったので、あれっ?と思ってしまった。フランスと日本の文化の違いなのか、自分がよっぽど主人公の気持ちが理解できてないのか…
ラストにはある意味冷めてしまう仰天展開があったのも残念。抑揚の少ない映画のエンドとしてはアリなのかもだけど…
消去法で見た映画だったけど、とりあえずなんだか心がほっこり出来たので、いい時間を過ごせた気分。
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