劇場公開日 2017年3月25日

「子どもたちがキラキラ笑う」世界でいちばん美しい村 クマリャンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0子どもたちがキラキラ笑う

2017年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

 子どもたちがキラキラ笑っている。さっき泣いても、もう笑っている。おそらく子どもたちは、一日に何百回も笑うのだろう。プナムもアシュバドルも、こころのうちから湧き上がる幸福感に揺すられ、笑いが溢れて仕方がないかのように、キラキラ笑う。両親や姉妹兄弟から、深く愛されて満ち足りているからだろう。そしてその笑顔や笑い声が、まわりの大人たちを幸せにしてくれる。映画を見ている私達にも、その幸せを分けてくれる。 子どもたちの笑い声が絶えない家は、この世で最も幸福な家だろう。私たち大人は、全ての子供が、一日に何百回も笑えるように、この世界を守っていかなければならないのだと強く思う。
 非常に美しい映画である。映像も音楽も、静謐であるのに凛と張り詰めていて、内なる強い力を感じる。また、祭りの時に、ボラムキャ一家が「Resham Firiri」を歌ってくれる。ネパールでは、まだ女性の地位が低く、この有名な歌も男性ボーカルのものばかりだが、映画の中ではプナムの可愛らしい声が響いて好ましい。ネパールの女性の識字率を上げ、少しでも女性の地位が向上するように、この映画を見た人が「プナム基金」に賛同し協力してくださることを心から希望します。

クマリャン