「真の幸せとは」世界でいちばん美しい村 Kaoriさんの映画レビュー(感想・評価)
真の幸せとは
ネパールの村を襲った未曾有の大地震。最愛の夫を亡くした看護師ヤムクマリの「神も仏もない」という言葉がすべてを物語っていました。劣悪な環境の避難生活の中、自分たちのことよりまず人のことを思いやる村人たち、子供たちの澄んで輝く瞳の美しさに衝撃を受け言葉を失い涙が止まりませんでした。自然への畏敬、だからこそ互いを敬い、強い絆で結ばれて生きてきた方々。ヤヌクマリが村人たちに癒されて立ち直っていく過程に心からの感動を覚えました。天使プナムのくったくのない笑顔、キラキラ輝く瞳、人を気遣う優しい心。兄ジルバドルの責任感に満ちた顔、姉アシュパニの弟妹を思いやる優しい笑顔。この映画の登場人物は奇跡に満ちていました。そんな村人をファインダー越しに見つめる石川監督もまた澄んだ美しい瞳の持ち主でいらして、その人間的な大きさに圧倒されました。物質的な欲望に満たされた現代社会に生きる私たちに真の幸せとは何かということを突き付けられた気がしています。ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。そして、プナムやアシュパニのような少女たちが将来に希望をもって生きられるように支援していきたいと思っています。
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