「一流の写真家ならではの映像美」世界でいちばん美しい村 HIROさんの映画レビュー(感想・評価)
一流の写真家ならではの映像美
2015年に発生したネパール大地震の震源地の程近く、ヒマラヤ山岳地帯の標高3千m近い場所にあるラプラック村の人々が、復興へと向かって一歩一歩、逞しく生きていく姿が丁寧に丁寧に描かれています。
一流の写真家が映画を制作するとこんな絵になるのかと思わずにはいられないほど、どこまでも美しい映像でした。メガネもかけていないのにまるで3Dの映像をみているかのように奥行きが感じられました。自然の厳しさや崇高さ、人々の表情の豊かさを捉える画面の切り取り方など、写真家ならではのものではないかと思います。
ラストのエンドロールではゾクゾクと鳥肌が立ってしまいましたが、エンドロールが終わり、劇場の灯りがつくまで誰一人として席を立たない、そんな映画がいったいどれだけあるでしょうか?
決して裕福とはいえず、辛いこと、悲しいこと、大変なことがいっぱいいっぱいあるにも関わらず、自然の恵みに感謝し、神に感謝し、家族や隣人に感謝し、日々、笑顔で生きている人々の姿に、本当の人間の幸せって一体なんなんだろうかと、ふと考えさせられてしまいました。
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