マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価
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リアリティ溢れる映画
昨年度アカデミー賞で脚本賞、ケイシー・アフレックが主演男優賞を獲得したことで注目してたので鑑賞。
ストーリーは兄の死により甥の面倒をみるためにツライ過去があるマンチェスターに行くことに。
まずキャストの演技が素晴らしい。甥役の俳優も良かったし、ケイシー・アフレックとミシェル・ウィリアムズの演技は完ぺき。特に二人が会話するシーンは映画史に残ってもおかしくないと思う。慎みや思いやりの折り合いが感じ取れる。
リアリティある演出と美しい情景描写はソフィア・コッポラ監督作品に似てるところがあると思った。リアリティがあり、起承転結の起伏が少ない作品であるとしばしば鑑賞者は退屈になる。だがそこにヒューマンドラマの本質があるとこの作品で実感できる。
個人的にとても本作で好きだった部分は回想シーン。時折、主人公が回想してフラッシュバックするが、とても滑らかな回想であった。過去のことが心の中につっかえる主人公を丁寧に描いていた。
主演男優賞、脚本賞には納得。
♪なるべくちいさなしあわせと~なるべくちいさな・・・♪
♪なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めよう そんな気持ち分かるでしょう
答えはきっと奥の方 心のずっと奥の方 涙はそこからやってくる そんな気持ちわかるでしょー♪
ベン・アフレックがアカデミー授賞式で干されていた弟のオスカー受賞に涙していたのと作品自体が重なってみえた。
ベーシックに悲しい事、小さな言葉、微妙な表情、痛ましい身体でユーモアも交えて丁寧に物語を紡いでいくのはビリー・ワイルダーやフランク・キャプラの映画を観ているようだった。
ラスト付近、リーの小さな決断を意味するそのセリフは細か過ぎてつたわらないよ~。
でもそれが現実だ~。笑いながら泣き、泣きながら笑う・・・・そんな気持ちわかるでしょう?
面白かった
帰郷
過去と現在、絆と縁
うだつの上がらない雰囲気と目、そして間が最高に良かった!
主人公リーが過去の罪を背負い、自分を責め続け心を閉ざしたまま生きて行こうとする悲しいストーリーだが、全体に醸し出される優しい雰囲気が、重さを感じさせない。
私が最も印象に残ったのは自分がおかしたミスを警察で告白したあとのあのシーン。
楽になれた方がどんなに良かったか。しかしそれは許されず、その後は自身の傷を癒したり幸せを求めることは許されないと思って生きて行く。
この悲しみを背負うシーンで流れる音楽は、泣くところを教えてくれる感じだったのに、つい引っかかってしまった。
自分を傷つけるように短絡的にトラブルを起こしていたリー。理由が解るまでは、単に短気で暴力的な人なのかと思った。目があっただけでも周りから避難されていると常に感じていて、ああすることで、抱えきれない自分を守っていたのだろう。
また、最も傷ついたであろう元妻ランディは、ずっとリーを責め自分を責めていたが、相手も自分も「許す」ことで前へ進もうとしていて、その強さは対象的。ランチしよう少しでも楽になろうと誘った元妻の言葉を、リーは心に入れようともせずに逃げるように去っていったのだから。
ずっと同じ場所に立ち止まっていたいリーにとっては、新たな希望を見出す元妻を許せない感情が渦巻いただろう。
パトリックの親代わりを引き受けようと葛藤しながらも、どうしても未来へ踏み出せないままリーとパトリックが思い出の船で釣りをする。このシーンでは、二人の背中に孤独が映され、まだまだ時間が必要なのだと伝わってきた。
マンチェスターの海や家並みは本当に美しく、優しく、暖かく、変わらずずっとある故郷に、哀愁と少しだが希望がみえたように思う。
ジョン・フォードの男たちを彷彿とさせる男泣き
本年度米国アカデミー賞の主演男優賞とオリジナル脚本賞を受賞した作品。謳い文句は「癒えない傷も、忘れられない痛みも。その心ごと、生きていく。」
ということならば、男の再生の物語なのか、と思いつつ・・・。
米国ボストンでアパートの管理人(というか雑役夫)をして、ひとり暮らしているリー(ケイシー・アフレック)。
彼のもとに一本の電話が入る。
かねてから心臓を病んでいた兄ジョー(カイル・チャンドラー)が突然亡くなったという。
故郷である海辺の町マンチェスターに戻ったリーであったが、彼にとってその町は忘れることのできない苦い経験のある町だった・・・
というところから始まる物語で、映画前半で、リーの過去のも描かれ、兄の息子、16歳のパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人になることが兄の遺言で示され、どうしてよいかわからなく行き詰まってしまうリーの姿が、その後描かれていく。
非常に丁寧の撮られているのだが、小説でいえば短編小説といったところ。
自分も兄も家庭は崩壊している(兄の方は、それほどでもないのだが)。
かてて加えて、ふたりの叔父もネブラスカかどこかに移り住んでいる(映画には一切出てこない)。
そんなバラバラな家族の物語で、これが最後にうまくまとまるかというとそんなことはない。
現実的な着地点を見出すが、安易に「再生」というところにはもっていかない。
そもそも、そんな「再生」なんてことは、監督・脚本のケネス・ロナーガンは信じていない。
なので、非常に新しいタイプの映画のようにも思えるが、そうでもなく、アメリカンニューシネマ以前の古いタイプのアメリカ映画のような感じを受ける。
具体的には、どの作品に似ていると指摘できないのだが、事件が起きる前のリーの生活は、男友だちとワイワイガヤガヤやっており、その後、孤独になってからは、直情的に酒場で殴り合いをやってしまう。
この人物設定は、ジョン・フォードが好んで描いたアイルランド人に似ている。
映画の主人公リーとジョーのチャンドラー兄弟のチャンドラーがアイリッシュ系の名前なのかはよくわからないが、兄役のカイル・チャンドラーはアイリッシュな風貌。
調べてみると、監督・脚本のケネス・ロナーガンも父方はアイルランド人だそうな。
なるほど、合点がいった。
最後の最後に、自分にはあの出来事は乗り越えることができない・・・と告白するリーには、かなり胸が熱くなった。
とはいえ、137分の尺は長すぎて、全体的にまだるっこい。
小説でいえば短編小説の内容なのだから。
君の経験は想像を絶する
まさにこの一言。
もう出家するしかないくらいの衝撃。
この酷すぎる出来事の脚本にピンとこない。
こんな酷い出来事を過去のトラウマとして描くのなら
非の打ち所のない男としてリーを描いて徹底的に同情させてほしい。
事件前も含めて彼の性格や言動に駄目男を感じてしまい、申し訳ないが「自業自得」感が最後までつきまとってしまった。
元嫁との町中でのシーン。
あんな出来事があってこの収束でいいのだろうか?
もちろん二人にとって壮絶な出来事の筈
その後の一時一刻がもの凄い時間だった筈
二人が歩んだ辛い時の経過がこんな立ち話で収束するのかな?
一方で兄の元嫁の駄目感とか、ばか騒ぎして過ごしたかつての仲間達が救いの手をのばしてくれない冷たさとか、きちんとした現実味溢れる人間ドラマが描かれていく。
現在と過去の場面転換がとってもスムーズでうまいなとも。
兄の優しい面影やジョージのこれでもかというくらいの親切ぷりにグッとくる
パトリックくんの演技も素敵です。冷蔵庫と格闘する様は秀逸でした。
古風な映画
なんだかとっても古風なストーリーだったよ。
火災や離婚で家族を失った男の苦しみを描いた映画。
アカデミー賞の会員メンバーの平均年齢は65歳以上だから、そんなご老人の方々に気に入られそうな古風なお話だった。
ケイシー・アフレックの演技がよかった。
彼の顔もハンサムでよかった。
ずっとケイシーを観ていたい感じだった。
だってベン・アフレックの弟なんだよ。
兄弟そろってハンサムだなんて罪だよ。
ケイシーの沈んだ表情に引き込まれてしまったよ。
共演のミシェル・ウィリアムズもいい役してた。
別れた旦那(リー役のケイシー)と道端で鉢合わせするシーンとか、演技がうまいと思った。
もうそれだけでアカデミー賞あげてもいいんじゃないの、とぷー子は思ったくらい。
でも今回もアカデミー賞とれなかったね。残念だね。
ミシェル・ウィリアムズって性格悪いのかしら?
アカデミー賞って演技力だけではもらえないからね。
ご老人メンバーの方々にゴマすって、いい顔して、愛想よくしていないとアカデミー賞ってもらえないのよ。
その点、ケイシー・アフレックは有利だったね。
彼のお兄ちゃんがベン・アフレック。
ベン・アフレックは、ジョージ・クルーニーと一緒に映画会社を持っているし、
制作に関わったマット・デイモンとは大の親友。
もうこれで投票を三つ貰えてるじゃない♪ わーお。
コネクション・バッチリのハリウッドスターだね!
さてさてもうすこし映画のお話ね。
全体的な映画の構成はよくできていると思ったんだけど、途中がね、ちょっとうんざりしちゃった。
他界した兄の息子、ジョーのこれからの生活をどうしようかと決めるシーンが長すぎた。
父親を亡くしたジョーは、悲しさや寂しさから逃れようと友人と遊びまわったり、二股の彼女たちとのんきにセックスしまくっている。
ジョーは16歳という若さだからね、しょうがないよ。と思わせる設定にしたかったんだろうけど、ストーリーに説得力がない。
そんな批評をスクリプトを書いているときに映画スタジオやエージェントたちから指摘されたんだと思う。
息子ジョーの言動に説得力を持たせようとして、逆にストーリーが長くなりすぎている。
長くなっているのにストーリー構成の問題点は解決しないままで説得力がない。
そこが残念だったかな、と思った。
だけど全体的によくできている映画だと思った。
涙を誘う映画なので、泣きたい人にはオススメかもね。
映画館でこの映画を観ていたら、まわりでしくしくと涙を流している人がたくさんいたよ。
泣ける映画だね♪
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