「辛いと叫ばなくても背中からにじむ」マンチェスター・バイ・ザ・シー こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
辛いと叫ばなくても背中からにじむ
甥の面倒を見るためとはいえなぜそこまで
帰省したくないのかの理由が徐々に明らかになる。
あまりにも、一人が抱える過去の傷としては
重すぎる。
むしろ良く自殺せずに生きてきたなと思うくらいだ。
父を亡くしたばかりの甥っ子も
人懐っこいタイプでもなく。
そんな二人が果たして近づくのかなあと心配になる。
甥と叔父の距離感がなんとも微妙で、
例えばこれが女同士なら
もっとハグしたり寄り添ったりと
わかりやすいだろうけれども、
どこかテリトリーをけん制し合うような
雰囲気もあるのが面白い。
はっきりとわかりやすくはないけども
空さえ見てないんじゃないかという男が
少しずつ光を見るようになったんだなと
そっと見守る映画だ。
傷をいやしていくのは時間とやはり人なのだな。
人間愛のある作品。
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