「【”乗越えられない、辛すぎるんだ。”過去に哀しき過ちを犯した男と、親類縁者との関係性を静かなトーンで描く。隠者の如く生きる哀しき男の姿を丁寧に描くケネス・ロナーガン監督の眼差しに救われる傑作である。】」マンチェスター・バイ・ザ・シー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”乗越えられない、辛すぎるんだ。”過去に哀しき過ちを犯した男と、親類縁者との関係性を静かなトーンで描く。隠者の如く生きる哀しき男の姿を丁寧に描くケネス・ロナーガン監督の眼差しに救われる傑作である。】
ー ケイシー・アフレック演ずる無口な主人公リー・チャンドラーが、後半、嗚咽しながら、血を吐くように口にする
”乗越えられない、辛すぎるんだ・・”
このセリフと彼の表情が未だに忘れられない・・。ー
・曇り空の多い街で過去の自らの過ちで犯してしまった、悪夢のような出来事を拭い去る事ができずに、隠者のように生きる男の姿を丁寧に描いている哀切な作品。
・けれど、その男の周囲には、事件の結果別れた妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)、兄ジョー(カイル・チャンドラー)、甥パトリック(ルーカス・ヘッジズ)達が時に寄り添い、時に”遠方”から暖かく見守る姿がある。
・現在、過去を行き来しつつ、物語は哀しいトーンを纏いつつ、静かに進む。
・そして、過去の哀しき場面が後半、劇的に大スクリーンに映し出され、リー・チャンドラーが隠者のように生活する理由が明らかになる・・。
<ケネス・ロナーガン監督が書き下ろした脚本の秀逸さ、
及びそれに応えたケイシー・アフレックを筆頭にした、俳優陣の演技にも魅入られる作品。
傑作である。>
<2017年5月20日 劇場にて鑑賞>
コメントありがとうございます。
レビューを評価いただき、ありがとうございます。
レビューを書く時の励みになります。
本作、従来作は、彷徨と再生を1セットで描く作品が多かったですが、
本作は、主人公の彷徨に真摯に丁寧に向き合った異色作でした。
考えてみれば、人生、立ち直るのに時間が掛かる問題は多々あります。
立ち直れずにいる人もいます。
そういう意味では、非常にリアルな作品でした。
さて、遅れてしまいましたが、本日、同郷の広瀬すずの出世作・ちはやふる三部作を投稿しました。御覧いただければ幸いです。
-以上-
コメントありがとうございました。14年から19年迄中国に赴任していてその期間の映画情報に疎く、ここまで評価が高いと知らずに鑑賞しましたが、皆さんのレビューに納得するばかりです。特に暗いキャラのリーが火事以前は明るいヤツだったことが明かされた後、悲しみの深さが染みてきましたね。
いやあ、凄い映画でした。
レビューするのに時間が必要でした。みんなの愛、再生の輝き、そして関わり続けることの覚悟を感じましたね・・
埋葬に、全員が揃っていて、圧倒されました。