「壊れた心は、そう簡単に治らない」マンチェスター・バイ・ザ・シー fukui42さんの映画レビュー(感想・評価)
壊れた心は、そう簡単に治らない
兄を亡くした弟と、父を亡くした息子。つまり叔父と甥の二人。
「葬儀はいったいどうすれば」の話が進む中、いろんな箇所で回想シーンが挿入されているのが。最初はわかりにくかったんです。
故郷に帰ってきたリーの事を、人々は「あの、リーか?!」と呼ぶところが引っ掛かりました。え、いったい何があったんだろうって。
冒頭から、リーはお客からちょっと言われるとFワードでやり返す、けんかっ早い性格が出ていて。いつものケーシー・アフレックらしいなあと思っていたら。
いくつもの回想シーンで、徐々にその過去が明らかになっていく様が切なかったなあ。心のケアもできぬまま、孤独に生きていたリー。立ち直れるはずもないわ。
甥っ子は微妙な16歳。結構ドライなキャラが今風か。まだ微妙に大人じゃない。リーと一緒に住むのかどうかなど、最後に決めるのは大人。リーの「後は自分で決めろ」のセリフが、決まってました。
タイトル名にもなった場所は、米国のマサチューセッツ州にある町の名前。人口5,000人ほどの小さな港町。港を見るたびに自暴自棄になったリーの気持ちそして、人々の記憶から消えないリーの過去。
ぴったりのロケーションです。
特に悲しい場面で流れるアダージョ?がいい仕事してました。こういう映画音楽も好きです。
そして、最初はマッド・デイモン主演予定がケーシーになったのは。吉だったでしょう。それくらい役がはまっていて、オスカー主演男優賞も納得でした。
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