「どうしようもないこともある」マンチェスター・バイ・ザ・シー aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
どうしようもないこともある
棚に1本置いておきたい映画。
人生って、どうにもならないことってあるよね。心の強さや、周囲の助けがあっても、なんともならないこともある。なんとかなるさ、なんて言える状況じゃない。
ララランドと、ムーンライトのアカデミー賞ラッシュの間に、ポンと主演男優賞を取っていたので、とても気になっていた。
ケイシー・アフレックは、バットマン(ベン・アフレック)の実弟。彼の静かに、言葉少なに語る演技で、最初から最後まで、魅了され続けた。納得の受賞だ。
過去に傷をもち、心を閉ざした主人公のリーが、兄の死をきっかけに街に戻る。唯一の肉親である、兄の息子のパトリックと、葬式などの手続きをしながら交流していくが…。
パトリックのために、自分の過去との葛藤と闘いながら、ひたすらなんとかしようとする姿が、痛々しくてたまらない。自分の生活を壊したくない我儘なパトリックに傷つけられても、唯一の血の繋がりがある甥は、決して捨てられない。
これは、かわいそうとか、そういう域を超えている。
観終わった後に、じんわりと余韻を楽しみたい、久々の良作です。
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