「尊いラストシーン」マンチェスター・バイ・ザ・シー Pathfinderさんの映画レビュー(感想・評価)
尊いラストシーン
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気性が荒く人付き合いの苦手なリーの元に、兄が死んだと一報が入る。
甥のパトリックの後継人を任され、今住んでるボストンに住むか、パトリックの住むマンチェスターに帰ってくるかの判断を託されることになる。
リーは兄の死をきっかけに、自分が逃げてきた過去と再び向き合うことになる。
なんだろう、終わった後に心に大きなものが残る。奇跡的な事なんか一切ない、幸せな事もない、問題山積みのリアルな現状が続いてくだけなのに、なんでだろう。
リーは不器用で人付き合いも苦手、そんなダメな主人公だからこそ、どこか惹かれるものがあるのかもしれない。
辛い過去を乗り越えるのではなく、そのまま抱えて生きていく。そんな選択肢だっていいんだ。
「ここに住めば」と言った時のパトリックの寂しさ、凄く切なかった。
ランディとリーが涙ぐみながらお互いに話すシーン。月日を経てようやく喉の支えが取れた瞬間。胸が熱くなる。
パトリックが船を操縦し、リーに久々の笑顔がこぼれる。一気に救われた気がした。
そしてラスト、二人で釣りをするたった数秒のシーンだけど、いつまでも続いて欲しい、ずっとこのままでいて欲しいと思ってしまった。
尊い。
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