「ふたりの船出」マンチェスター・バイ・ザ・シー ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
ふたりの船出
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冒頭に現れるリーとパトリックでこれがふたりの映画だと分かる。
そして観終わると映画がいわゆる感動としての「赦し」や「癒し」を描かないからバッドエンドなのか?とも思えるがそうではない。
映画の中、リーの仕事の最中に依頼主が救難信号も出さずに海に消えていった男の話をするが、それが示唆するのは「今はどうしようもない心の傷もいつかはふいに消えてしまう」だろう。
ラストでワンバウンドのキャッチボールをするリーとパトリックの姿はこれからもぎごちないながらもふたりの関係が続いてゆくのを暗示している。
ふたりは一緒に船出をしたのだ。故郷のマンチェスターの海から。
これが、この映画の微かな「やさしさ」だ。
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