「これまでになく多少ダークなトーンに胸騒ぎを覚える」ワイルド・スピード ICE BREAK ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
これまでになく多少ダークなトーンに胸騒ぎを覚える
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主演俳優の死という悲劇を乗り越え、見事な秀作に仕上がった前作。これを機にシリーズに幕を降ろすという選択肢もあったろうが、それでもなお製作陣とキャスト陣によって切り開かれた境地は、これまでに比べてややダークな作風となった。
オープニングのハバナでのレースを始め、のちに続く様々なアクションシークエンスも全てが一定のレベルを超え、カタルシスは十分。ただ今回は、悪役のシャーリーズ・セロンが非情さを際立たせ、劇中まったく人間味を感じさせない怪演を貫いているため、やや謎は持ち越しとなる。
F・ゲイリー・グレイの手堅さも相まって、一本の映画として十分な合格点ではある。ただ、シリアスに振り切れるストーリーが気になりすぎて、個人的に大迫力のアクションをなかなか素直に受け止め切れないジレンマも感じた。これはこれで次への布石であるのは確実だが、「ワイスピ」に爽快さと笑いを求める人は心の準備をしてみてほしい。
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