「トリプルX??いいやトリプルハゲで賞」ワイルド・スピード ICE BREAK 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
トリプルX??いいやトリプルハゲで賞
まさにワイスピ!今回も、と言わず、シリーズ追うごとに更に最高の作品になっていくね!
…と、さらりと述べたくなる映画だった。
それだけに、過去作品無しではこの映画の味を噛み締めるのは難しいかもしれない。
ワイスピのテーマは『ファミリー』だ。
助け合い認め合い、ぶつかり合い(しかもハゲの凄い筋肉で)培われてきた絆があってこそ涙する、温まるシーンの数々。
亡きポール・ウォーカー演じるブライアンをいつまでもスクリーンの中で生かし続けようとしてくれているシーンには涙腺も崩壊するってもんよ。
7のラストは非常に綺麗なポール追悼エンディングで終わっていたので、8ではもう触れられもしないとかだったら…と不安も持っていたけれど、見事にかき消されまた泣かせて頂いた。ありがとうヴィン・ディーゼル。
しかし、私はスクリーンを観ていて思った。
今劇場に一緒に観ている皆さん。デッカードの事は許せるのか?と。
ワイスピファンにとって、ハンさんとジゼルを失った悲しみはステイサムのキレのあるアクションとドゥエイン・ジョンソンとのマッチョファイトなどで解決されるものではない。刑務所での会話も何だかネタ混じりなところがあって納得いかず…。悔しい。
個人的に1番好きなシーンは、刑務所でのドゥエインのゴム弾を受けながら突き進んでくシーンだったんだけど、ドゥエインももう完全なギャグキャラ位置に来ているね。ステイサムは言わずもがな。
さて内容ですが、オシャレな予告編を裏切らないド派手なカーアクションと時折コミカルな脚本で文句なしに面白い。カーアクションと言っても、人が運転してレース!のみならず、無人の車がハッキングされてわらわらと動き出し、ボロボロとビルから溢れ落ちてきて、街は大混乱。ああ、(良い意味で)なんとゴージャスな破壊行為か。
ドムの心理に迫るフュリオサ。ファミリーが大事と言いつつ、本当に最高の瞬間は1人の時にしか味わえないのよね?とファンにとっても恐ろしい問いかけをしてくるが、作品を通してドムがその質問への答えをしっかりと魅せてくれる。…良かった、イエスじゃなくてw
ファミリーは絶対にファミリーを裏切らない事。ワイスピの映画の中には、いつまでも『ブライアン』が生き続けていくのだということ。それをファンにしっかりと示してくれたのが、この8作目だと感じた。