劇場公開日 2017年4月28日

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「爆走も熱いハートも停まらない!」ワイルド・スピード ICE BREAK 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0爆走も熱いハートも停まらない!

2017年4月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

全く人気が衰えぬ大ヒットシリーズももう8作目。
正直、シリーズは前作で終わりで良かった気もするっちゃあする。ファミリーの一人、ポール・ウォーカーの遺作となり、あのラストシーンは有終の美に相応しい。
しかし、映画界を爆走し続けるこのシリーズに“停まる”の文字は無く、完結編と銘打った10作目へと続く最終3部作のスタート。

当初のストリート・レース感は何処へやら、すっかり規格外のド迫力&スケールと、「ミッション:インポッシブル」ばりのチームプレー&大作戦になってしまったが、何だかんだ言っても毎回毎回その超絶アクションこそ楽しみにしてるので、どんどんやれ!
「~MEGA MAX」では巨大金庫を引きずり、「~EURO MISSION」では戦車、前作「~SKY MISSION」では遂には空を走ったが(正確にはダイブ)、今回は…
せ、潜水艦…!?
氷をぶち破って現れるそれは、ゴジラ級!
氷上疾走という難易度の高いドライビング・テクニック、車と潜水艦のチェイスに興奮が停まらない!
NY市街地でのカーアクション、クライマックスの決戦など、本当にド派手な見たいものを見せてくれる。

いつもながらストーリーはあって無いようなものだが、今回は一味、思わぬテコ入れが。
あのドミニクがファミリーを裏切った…!?
今回の敵と組み、ファミリーと対立…!
ある策略によるもので、内部分裂は昨今お決まりの風潮だが、ストーリー展開的にはシリーズでも一際面白味があった。
何よりファミリーを大事にしてきた大黒柱が何故…?
ドミニクの事だからファミリーを守る為と予想していたら、ある意味“ファミリー”を守る為ではあったが、意表を付く理由であった。

ドミニクと対立しながらまたドミニクを取り戻そうとするファミリー。
が、そのドミニクは敵側へ、そしてブライアンも居ない。
そんなファミリーに加入してきたのが、何と前作の敵、デッカード!
ファミリーにとって因縁の敵、ピリピリ険悪ムード。特にホブスとは火花バチバチの“口撃”を展開。
共通の敵を倒す為に仕方なく手を組んだのだが、この「ドラゴンボール」的な“昨日の敵は今日の友”には、男なら堪らん!
また、彼には“ほっこり”する見せ場が設けられている(笑)

ドミニクを手玉に取り、ファミリーに立ち塞がる今回の敵は、天才ハッカーにしてサイバーテロリストの女。演じるは、シャーリズ・セロン。
これまでの力押しの男敵とは違う、頭がキレて、冷酷な女敵。
その“女帝”っぷりには、前作のデッカードさえ霞んでしまった。
さすがはフェリオサ、オスカー女優!
オスカー女優と言えば、出演が報じられていたあの大女優も! 気になる彼女の役柄は…、これまた驚き!

ホブスの良きパパな一面。
相変わらず腹の底が読めないノーバディ。
“11位”ローマンらコミカルで軽妙なやり取り。
ドミニクを信じるレティ。
ド派手なカーアクションが売りだが、でも一番の見所は、魅力的なキャラたちと彼らの固い絆や愛、亡きポール・ウォーカーへの想いなど、熱いハート。
最後は興奮と共に、不覚にも感動しちまった。

採点的には前作よりマイナス0・5だが、それはポール追悼の分。
前作で終わりでも良かったなんて言って、興味も面白味もちょっと失速するかと思いきや、
何の何の、今回もメッチャ面白かった!

近大