ビニー 信じる男のレビュー・感想・評価
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実話であるからの感動
ビニー・パジェンサは、交通事故後復活して、結構な期間プロを続けていた。 あまり日本では知られていないが、アメリカでは一般的に知られているのだろうと思う。 映画では、デュラン相手の世界戦が復帰戦になっているが、実際は他の相手との世界戦で復帰を果たしており、デュランとは復帰2戦目か3戦目だ。 これは映画的な脚色で、知名度の高いデュラン戦をクライマックスに持ってきたのは正解だ。 ボクシングの試合は、大きく3戦が描かれている。 最初はロジャー・メイウェザーとのWBC世界スーパーライト(当時はジュニアウェルターだったはず)級タイトルマッチ。 父親がビニーをチャンプと呼ぶので分かりづらいが、ビニーは挑戦者だ。 その前にビニーはIBFの世界ライト級チャンピオンになっていたので、父親は彼をチャンプと呼んでいたのではないだろうか。 ライト級は一度も防衛できず、階級を一つ上げてのメイウェザー戦だった。 ここでは、 挑戦者でありながら、直前までウェイト調整を怠け、試合前夜にギャンブルや女にうつつを抜かすところが描かれているが、 事故後は根性ものに一変していて、 このキャラクター設定を活かした人間ドラマになっていないところが、やや不満ではある。 2試合目はWBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチ。 2階級上げて、王者ジルベール・デュレに挑戦した。 これに勝って2階級制覇チャンピオンとなる。 アーロン・エッカート演じるトレーナー ケビン・ルーニーの2階級上げるという判断が正しかったことを証明すると共に、揺るぎない二人の信頼関係の構築を描いている。 そして、事故と事故後の再起に向けてのトレーニングが描かれ、 いよいよロベルト・デュランとの復帰戦に突入する。 が、ここからは単に良い話になってしまった。 勿論、感動的ではあるが、伝記の域を出ていない。 ある意味、単純で分かりやすく、感動しやすくもある。 同じく事故からの奇跡の復活実話を題材にした「ラッシュ/プライドと友情」に比べると、単純すぎて物足りない。 ラウダに対するハントのような明確なライバルが本作には出てこないので、比べられないかもしれないが。 冒頭のシークエンスでは、ビニーはボクシングに本気で取り組んでいないように見え、命懸けで復帰を目指す意識変革の過程が見えないことが、後半の物足りなさに繋がっている。 主演のマイルズ・テラーは、体を作り、「セッション」以上に熱のこもった演技を見せる。 アーロン・エッカートは、禿げ上がって腹がダブつき、別人のようだった。 これが役作りだったと後で知って、驚いた。 ビニーは、復帰後はスーパーミドル級に戦場を移している。 さらに2階級上げたことになる。 デュランから奪取したタイトルを含めて、マイナー団体の世界タイトルは取っているが、メジャー団体では3階級制覇はできなかった。
痛
ホントの話なんだね…それが何より信じられない。
本編終了後に、当時のご本人の映像が流れる。大口を叩くボクサーは数々いれど、こんな大風呂敷を実現させたボクサーは居ないと思う。
感動とか、感激のレベルじゃない。
見終わった後にあんぐり…開いた口が塞がらない。呆然とした感じで、何かにあてられたような錯覚がある。
作品の中で流れる時間の切り取り方が抜群に上手かった。伸びない髪はご愛嬌。
苦悩と努力と…何より葛藤と。
それでも、一歩踏み出した後は、重い荷物を降ろしたような解放感があった。
大ラスのリングでは、いつ首の爆弾が破裂するのかハラハラ。
まさかチャンピオンになるとは!
…なんちゅう男だ。
ドラマの様な物語を体現した男の話だった。
主役の痛みの表現に脱帽。
見てるこっちまでむず痒くなった。
総体的に静かなBGMだったけど、物語をぐっと盛り上げてくれてた。
キャラが立ってない
IBFの王座を奪取し初防衛に失敗してWBAで二階級制覇したと思ったら事故に合う不運に見舞われ復活して王座に返り咲いたにしろマイナー団体な訳でソコの事実性が蔑ろにされていて歴史に残るチャンプでは無い!? その点は同じく実話を描いた「ザ・ファイター」に似通っていると思うが本作は主人公のビニー含め主要なキャラの人物描写が浅いし誰にも魅力が感じられずビニーのキャラすら定まっていない単調さが。 事故からリハビリまでの復活が最大の魅力である筈がそこまでの過程が長くてリハビリの様子も雑な演出で意外に簡単に復活してる感が否めない。 試合のシーンも迫力に欠け何をメインに映像にしたいのか解らずビニーの人生を軽く摘んで伝記映画に。 何はともあれ事故も含めて苦労人なボクサーであったのは間違いない。
マイルズ・テラーだけじゃなく、アーロンの肉体改造
「ラ・ラ・ランド」(2017)のデミアン・チャゼル監督が注目されるキッカケとなった「セッション」(2014/原題: Whiplash)で、青年ジャズドラマーを演じたマイルズ・テラーが主演。
マイルズ・テラーは、その「セッション」でもトラックにぶつかったが、またもや自動車事故で血だらけになる映画である・・・(笑)。おもわず茶化してしまったが、それは本質ではなく、実在するボクサー、"ビニ―・パジェンザ"(現在54歳)を描いた作品だ。
"ビニ―・パジェンザ"は、世界チャンピオンを獲得した直後に、自動車事故に遭う。首を骨折する瀕死の重傷を負い、選手生命の終わりを告げられたが、そこから奇跡の復活をとげ、王座奪還する。まさに"事実は小説よりも奇なり"を、驚異の精神力と努力でなしとげた偉大なボクサーの話である。
ボクシング映画の多くが、"ドラマティックな勝利や復活劇"を描くわけだが、これは実話なので、完全なリアリティ描写こそが映画の生命線となる。
ハリウッド俳優が徹底的な役づくりをするのは、もはや当然であるが(レベルが上がって俳優は大変)、マイルズ・テラーの肉体改造も相当なもの。さらに自動車事故のシーンや、その後の治療の経過とトレーニングの姿の痛々しさはすさまじい。
また、ビニーにとってはトレーナーであるケビン・ルーニーの存在も大きい。ケビンは、マイク・タイソンを世界チャンピオンに導いた人物として有名だが、本作では「ハドソン川の奇跡」で副機長役を務めたアーロン・エッカートが演じている。これが一瞬、アーロン・エッカートに見えない。なんと、酒浸りの自堕落なトレーナーである本人に近づけるために18㎏も増量しているのだ。マイルズ・テラーだけでなく、こちらも見どころ。
エンドロールで実際のパジェンザの映像が流れる。パジェンザはマイルズ・テラーとは似ても似つかない顔立ち・風貌なのだが、インタビューでのセリフや、声色(イントネーション)まで似せていたことに驚く。
リアリティ追求の感動を楽しめる作品である。
(2017/7/23 /TOHOシネマズシャンテ/シネスコ/字幕:林完治)
我が証
音響効果により物語をテンポ良く魅せたが、戦場であるリングと自宅のリビングが交互に映される度に画面の温度が下がっており、大接戦の緊張感を失っていた。 自分を低く見積もらず、直向きに努力する姿勢は尊いが、逆に言えば勝てないのは努力が足りないからだという脅し文句にもなり得る。
ロッキーより凄まじい実話
卓球の張本くん、将棋の藤井くん、野球の清宮くん 漫画の世界をも凌駕するリアルを目にする事が増えましたが、20数年前にボクシング界で起きた事は鮮明に覚えてる。 誰もが知る超メジャーなボクサーではないが、生い立ちからサクセスストーリーが、リアルロッキーって呼ばれてたいたビニー・パンジェンソ 突如、彼を襲った交通事故で首の骨を折りながら復帰戦で、石の拳と呼ばれた男を破って奇跡のカムバック!! そんな実話を『セッション』のマイルズ・テラーが、ボクシングシーンはさて置き、見事に肉体を作り上げ演じる。 復活劇に至るまでの描写が凄まじい! 人は信念をどこまで貫けるのか!? そこには必ず支える人がいる。 素晴らしい作品でした〜☆4.4
奇跡
100本目。 ボクシング映画にハズレはないと言うのを聞いた事がある様な、ない様な・・・。 この作品は色々な立場から観れると思う。 序盤はトレーナーとの二人三脚、二人からの立場で観てた。 でも後半は年のせいかな、親目線。 何かね勝っても、素直に喜べないんだよね。 複雑な気持ち。 でも奇跡は起きるものではなく、起こすものなんだな。
奇跡だね。
ビニパジェンザとロベルトデュラン ボクシングファンの僕は、血脇胸踊りました。盛りを過ぎた2人でしたが、パジェンザがあんな苦労したとは、初めて知りました。映画的には、いまいちでしたが、当時を思い出しました。
パズマニアデビル
80~90年代に活躍した実在のボクサー、ビニー・パジェンサが交通事故により首を骨折した後、復帰を果たした実際の話。 ストーリーは88年のWBCスーパーライト級タイトルマッチから事故を経て94年まで。 事実にドラマ性が強いから充分といえばそれまでだけど、余計な脚色は少なく再現番組をみているような印象。 ただ、実際には途中であったはずの試合がなかった様に感じる流れで、より劇的にみせたい感じはする。 ボクシングに詳しくない人には取り上げられている対戦相手の凄さはわからないだろうし、詳しい人には「あれ?」という感じがあるだろうし、効果は如何なものか…。 知っているとイマイチ衝撃的な出来事は少ない感じだけど、テンポが良くて弛みもなく最後まで楽しめた。
奇跡を支えたのは血のにじむような努力
交通事故で首の骨を折ってしまったボクシング世界チャンピオンのビニー ボクサーとしては再起不能、歩くことさえ難しいと言われた彼が復活していくまでの物語 最後まで「再起できる。するしかない」と思い続けたビニーの信念の強さがここには描かれているが、その裏で、試合をしてパンチをもらったら、また折れてしまうのではないか、次はもう歩けなくなるのではないかと、一番恐れていたのはビニー本人だったのではなかったか そんな彼を支えていたのは、リハビリを兼ねたトレーニングの日々 やはり、どんな人でも奇跡を起こした裏側には、血のにじむ努力があるんだと思わせるその姿は感動的 夢を諦めたくない人にオススメの作品
制作費600万ドル撮影日数24日で作った映画ってホント!?
実在のボクサー、ビニー・パジェンサの実録モノ。 飲まないけど打つ、買うロードアイランド出身のイタリア人ボクサー。80年代~90年代に活躍していて2004年引退と長くボクシングやっていることも含めリアルロッキーみたいな人。 低予算に見えない時代再現性は実際の映像を使ってることもあるだろうが、地元出身者でビニーとも懇意のプロデューサーがいたことで地元民の協力があったおかげだと思う。家族のシーンが多いことも含めアットホームな雰囲気が映画にいい影響を与えている。 無駄に音楽で煽らない等派手な演出を少なくして実話ベースであることを尊重しながら破天荒なエピソード、ボクシング興行の闇をちらつかせたりして飽きさせない。 アーロンエッカートが外見から中身までこれまでと全く違うイメージで実在のトレーナーになりきっていて主役を食っている。 ボクシングシーンより手術や事故・リハビリシーンの方が痛々しい。
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