「ガーフィールド、“日本”と“信仰”との奇縁」ハクソー・リッジ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
ガーフィールド、“日本”と“信仰”との奇縁
ハリウッドスターが日本を舞台にした映画に主演するなど、そうたびたび起きることではない。ところが何の巡り合わせか、アンドリュー・ガーフィールドは時をほぼ同じくして、マーティン・スコセッシ監督の「沈黙 サイレンス」では江戸時代に来日する宣教師、本作では沖縄戦に従軍する衛生兵として主役を張ることになった。
両作品のもう一つの重要な共通点は、どちらの主人公も敬虔なキリスト教者であり、その信仰心が試される受難が描かれていること。メル・ギブソンは監督作「パッション」でキリストが拷問される凄惨な描写で物議を醸したが、本作でも訓練時のいじめや地獄絵図な戦場での命懸けの救助活動が執拗に提示される。キリスト教圏においてあるいは自明なのかもしれないが、受難に耐え克服する熱情こそが信仰の本質である、より端的に言えば「受難は熱情と同義である」ということを、メルギブは諸作を通じて語っているように思える。
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